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特進オタに、恋できますか?  作者: 木尾孝信
過去と出会い~勉強に集中できない~
9/26

勉強タイム

屋上で弁当を食べた後、

春波と俺は図書室で勉強していた。

春波は普段下ろしているか、お団子ツインテールなのだが、勉強の時はなぜかポニーテールにしている。

正直なところ俺はポニーテール弱い

俺は単に家で勉強しなかっただけだったから、問題を解きまくる時間にしていたのだが…



「あーーーーーーーぁ!!もうわかんない!!」



お隣さんは絶叫していた。

図書室は静かにするイメージがあるが

昼休みの図書室は人がいないため、いくら叫んでも問題がなかった。


「ねえ、なんでこういうふうになるの!?

 教えてぇ!ねえ教えて!!!」


五月蝿い。めちゃくちゃ五月蝿い。こいつの性格からすると、一旦始めると答えるまで黙らないだろう。なんで、きょかしちゃったんだか…


「これは、ここに書いてある公式があるでしょ、それ参考にして…」


ふむふむ。と言った顔つきで参考書を眺めている。

自分が教えた事が理解されるのは気分がいい。

自分の勉強は一切進まないが…


「じゃあこれは?」


「これは…」

 歴史は苦手だ。ということで、


「モリーーーーー!!」


「さっきからうるさいんだよ。」


奥の方の本棚から湧いてでたポールこと、森谷だ。

理系はともかく、歴史や国語だとクラスで一番だ。

昼休みはほぼ毎日、放課後読む本を漁っているらしい。

図書室の住人みたいなやつだ。


「それより、これわかる?」


「ああ、これはこの人が始めた政策で…」

めちゃくちゃ解りやすい。


一方春波は…

「へー。なるほどー。もりーめちゃくちゃ解りやすい‼

 こんどわからないところあったら教えて!!」


その日から、森谷が勉強会?に参加するようになった。

森谷の解説がうるさいので、俺は比較的離れたところで勉強していた。

春波は数学より歴史がごっちゃになっているらしい。


徳川家康が、本能寺で殺されたとか言ってたっけ…聞いたところかなり重症だった。


その時俺は、彼女の視線に全く気づいていなかった。




そんなある日、弁当を食べ終わった俺は図書室に向かおうとしていたのだが…


「待って」


春波に呼び止められた。


「また、一人で勉強するの?」


「そうだけど」


口をゴニョゴニョさせた春波は何か言いたげだった。


「私、もりーより、青児に教えてもらいたい。」


「だから、歴史は苦手なんだよ」



「そうじゃない‼」



春波口をへの字にして、上目遣いで睨んできた。


「私は、勉強なんかしたくない❗ただ青児と一緒にいたいだけなの‼」


こういうときって恥ずかしがるもんじゃねとか、思いつつ

戸惑ってしまった。

彼女の目には涙が浮かんでいたのだ。


「最近は家で勉強するし、昼休みはたまにで大丈夫かな…」

「ポニテもたまに見たいし…」


言ってしまった。


女を泣かせるやつは最低だ。

女を傷つけるやつは最低だ。


父親に言われた言葉で一番鮮明な言葉だ。

この言葉が染み付いてる俺にとって、春波の涙は、現時点で消滅させなければいけない最重要目標だったのだ。


「今日は勉強しないから、もう少しゆっくりしていこう」


俺の全力の慰めだ。


「ほんと?」


「本当」


くっそっ!!!性格が違ったらめちゃくちゃかわいいのに…

その上目遣い最高だぜ、ちくしょう‼


「じゃあさ、このお菓子食べてみて☺」


「遂にお菓子まで手作りか…」


「これは昨日買ったやつ。一緒に食べたかったの。」


なんで、俺はこの女に付き合ってるんだろう。好きでもないのに…

それに、本当に小学校にいただろうか…




そんな疑問がふと、頭をよぎった。







その頃図書室では、森谷が愛読してる参考書を持って昼休み中うきうきしていたのは、誰も知らない。

(森谷は教える楽しさを覚えていた)







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