なくなった
次の日から春波はブレスレット嬉しそうにつけてきてくれていた。
のだが…
1週間したら着けるのをやめてしまっていた。
本当は気に入らなかったのだろうか…。
あそこまでの笑顔をしながら、本当は気に入ってないなんて
なんてあざといんだ。
でも、彼女にそんな裏があるとは俺は思えなかった。
一人でモヤモヤするのは嫌いだ。
だから、聞いてみることにした。
帰り道。今日も一緒に帰った
「なあ、最近俺があげたの着けてないけど、気に入らなかった?」
ギクッ
背筋がピンと伸びて顔がこわばる。
図星か…
とほほ、
「ち、違うの。そういうわけじゃなくて。その…」
手をすりすりしながら答える。
こいつ、嘘つくと手をすりすりする癖があるんだろう。
じゃあ、なんで転校したときの事や友達の事で手をすりすりしたのだろう。
うつむいた春波はそのまま走って行ってしまいそうだったので
俺は腕をつかみ
「本当に気に入らなかったのか?あの時の笑顔は嘘だったのか?
俺はそうじゃないと思う。あんな笑顔、心から嬉しくないとできないと思った。
何かあったのか?」
春波はうつむいた顔をあげたのだが
涙がぽろぽろ。潤う瞳には伝えたいことがありげだった。
「なんで、なんでこんなときは、すぐに気づくの…馬鹿…」