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特進オタに、恋できますか?  作者: 木尾孝信
過去と出会い~勉強に集中できない~
12/26

気付いたこと

次の日が休日だったため俺と璃子は原宿で待ち合わせすることにした。

俺自身、原宿はイベントで一人で何回か行ったことあるし

璃子も友達と一緒に行くらしい。


11時。昼食を食べる時にどこを回るか決めようと計画していた。


俺は、友達と秋葉に行くくらいの落ち着いた格好で来たのだが、

原宿だと相当浮く。

周りはみんなリア充で吐き気がする。

俺もあの時あの子の告白を断ってなければ…


なんて、仮定法を使ってみる。お、英語の勉強ができるぞ!

If i had not refused, I would have been リア充.

リア充って何て言うんだ?


そんなこんなで駅前で待っていると、

胸に大きなヤシのみをぶら下げている女子が現れた。

璃子だ。


「待った?」

白いベレー帽をかぶり、レースの長めのスカートを履いていた。

水色のもこもこのセーターを着て、背中にはベージュピンクっぽい四角いリュックだ。

おぉぉ、印象にぴったりだ。


「い、いいい今来たとこぉぉ!」

よし言えた❗

初デート。俺はこの言葉を知らず、何分前に来てたよ~。

何て言ってしまった。

その時の反省を胸に緊張していったらすごいことになった。


「きもっ」

「うるせぇ」


言われても仕方がない。


昼飯を食べるところは、璃子に任せてあった。

デートとかあったらそこ使えばいいっか。

なんて、取材をかねていたのかもしれない。


昼食中、何を買うか説明をするつもりだったのだが…

「えぇ‼何が趣味かもわからないわけ!?」


そう、春波に対して特に話そうとしなかった俺は

自分のことは色々話したけど彼女にはあんまり話していないことに気づいた。

俺が彼女に気を遣っている。

なんて思っていたが、俺が気を遣わせていたのかもしれない。

アタックしてくれている女子に対して適当にあしらうと言うことだ。


とても失礼だ。

男として最低だ。


そう思った。

だから、俺の思いつく限りの情報を振り絞った。


「強いて言うなら、料理を頑張ってることかな?

 後陸上部に入ってたみたいなことを言ってた。」


「うーん。さすがにキッチン用具だと一人で選んでないってばれるだろうし…」


難しいもんだ。

「そういえば、お弁当はお花柄の巾着に入ってった。子供ぽいわけではなったけど…

かわいいものが好きなんだな。そういう感じのやつ。」


「言いたいことはわかったよ。」


むむむっといった感じで考え込む。探偵みたいにおでこに拳を当てているのが、なんともオタクっぽい。


「よしっ!日常的に使える小物にしよう‼」

拳と手のひらを合わせてポンと音を立てる。

「私がチョイスすれば気に入ると思うよ~」


「いや、ありがたいけど

 教えるのは店だけにしてほしい。じゃなきゃ感謝の気持ちは伝わらないと思うから。」


「そういうところは律儀だよねw

 わかったよ。そういうことにしよう。」

俺は照れながら、寛大な彼女に敬意を示すように深く机に頭を近づけ、感謝の意を表した。





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