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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
8章 罪は私を緋色に染めて
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94話 罪は私を緋色に染めて17

 匕首を手に取るとすぐさまロボットの近くに転移する。

人間相手ならダンジョンマスターとして制限があるが、相手はロボットだからいきなり背後に転移する事も出来る……探知系統の能力を備えていると厄介だからしないけど。

相手の前に出てそいつの足を止めさせる。

見るからにロボットな足が四本、かなりふっくらした胴体に、頭は料理に使うボウルを逆さに被せた物に大きなレンズを付けただけに見える、そして腕は二本でそれぞれに青竜刀。

勝てる……と思った瞬間、両脇の下から腕が生えてきて合計四本になった、因みに増えた二本も青竜刀を持って居る。

……問題があるかと問われれば、まあ、無いのだが。


 匕首を抜いて素早く接近、同時に振り下ろす。

狙いは腕の関節部分、金属の塊でも接続部なら破壊しやすいだろう。

だが、ロボットはその攻撃を二本の青竜刀を交差させて受け止め、残りの二本で反撃してくる。

「ん~流石に腕四本は面倒」

私の武器は匕首だけ……三本も武器の数に差があると反撃だけで手数を使い果たしてしまう。

「よし、創るか」

簡単な話だ、武器が無いなら創ればいい、今の私なら一つや二つは造作もない。

荊を生成、収束させて片手で扱えるサイズのスピアを作り出す。

私の能力で作った荊の性質を変えれるのは豊を相手にした時に分かって居る、人体に害が無いただのロープ扱い出来る程に荊の本質を変えれるのだから、鋼と同じぐらい固くする事も容易だ。

今回は糸の方に細くした荊をトゲ有りで作り出し、絡めてスピアの形にして硬化した物だ。

豊なら氷で作れるが、まあこっちの方が扱いやすい。


 状況の分析をしているのか、暫し固まっていたロボットに思いっきり荊の槍を投げる。

当然回避されるが、そんな事は計算済みで、直後私自身が踏み込んで刃を振るうと同時に荊の槍を引き戻す。

投げた荊の槍には極細の荊のロープを仕込んである、そして荊の操作を魔術で行えば手を使う必要はない。

挟撃によってロボットは破壊出来る……その瞬間にロボットの目からレーザーが放たれた。

素早く匕首の横面でレーザーを反射するが、それでも熱が伝わってくる。

いつの間にか荊の槍は焼き切られている。


 距離を取ったその間にロボットの持つ四本の件に魔力が流れる。

一つは火を噴き、一つは冷気を放ち、一つは砂塵を纏い、また一つは鎌鼬が渦巻いている。

火気、水気、土気、木気、そして刀自身が持つ金気……五行の要素をすべて持っているようだ。

あれの力を全て開放されたら面倒だ、私は金気の扱いが非常に苦手だから受け流せる自信も無い。

……まあ、それも出来ればの話だが。

匕首は既に鞘に戻して、そこに魔力を集中させてある。

これを一気に開放すればあの程度の機械人形など文字通り消し飛ぶ。

……分解して調べても良かったが、多分量産品みたいだから、それは別の機会に回すとしよう、今は耐久度でも確認してみるか。


 【Atomic resolutio……】

相手の攻撃の発動寸前に間に合わせる。

ひのえ・天羽々斬】

匕首を鞘から振り抜くと同時に解き放たれた焔の刃が、一瞬でロボットを包み込み……その全てを焼却した。

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