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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
2章 侵入者と新たな仲間
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8話 反省

 ・・・体が重い、眠い、だるい、当分狂気は使わないぞ、後がきつすぎる。

戦果は上々、二人は戦闘の才能がある、ちょっとの模擬戦で結構な力がある事が解る、それに殺しを躊躇わない事こそが一番の強みだ。

食料はそれなりに手に入った、保存食が多いから当面は問題ないだろう。

問題はDPの方だ、確認してみると1000しかなかった。

いつの間にか追加されていたメール機能に来ていたアザトースのメールによると、色々貰ったからその分差し引かれたらしいが・・・まあ仕方ない。


 あ~それにしても眠い、いい加減ベットが欲しいか。

ダンジョンショップ・・・正式名称あったのか、まあ良い、それで調べてみる。

ベット、400DP・・・まあ良いか。

二つ購入し、居住区に設置する。

「貴方達も疲れてるでしょ、休みなさい」

「はい」

『解りました』

ベットに潜り込むとセイが入って来る、ちなみにエルはコロと一緒に寝ていた・・・毛が付かないだろうか、いや付くな確実に。


 ぐっすり寝たからかそれとも体質のせいか、朝早くに目が覚める。

横にはセイが寝顔を見せている・・・嗚呼、可愛い。

癒された所で起き出して軽く体操するがあまり力が出ない・・・狂気の反動は大きいか。

それでもある程度は訓練をしているといつの間にか起きていたセイが近づいてくる。

「どうかした?」

『怖いんです』

なるほど、その気持ちはよく解る。

「狂気・・・か」

『はい』

「正確にはどんな風に?」

『自分の酷い所を見せつけられているみたいです、何時かはそれに飲み込まれてしまいそうで・・・』

「それが自分で解って居る分には大丈夫だよ」

優しく声を掛けるとセイは少しだけ安心した風に吐息を吐く。

『それでも、怖いんです』

・・・まあ、そうなるのも仕方ないかな、彼女はまだ幼い、それを理解しているだけでも私が元居た世界ではまず無い事だろう。

「じゃあ、座って胡坐をかいてみて」

セイは言われるままにそうする。

「次は腕を組んで、上げてるのがきつかったら腕を下ろしててもいいから」

言われた通りにしたセイにさらに言う。

「そしたら、ゆっくり息を吸って吐いてを繰り返す、そうすると段々落ち着いてくる。狂気も抑え込むことは出来る、消えた訳じゃないけどある程度は制御できる、長時間する必要は無いから一分でもやる、それで多少はましになると思うよ」

『ありがとうございます』

立ち上がったセイを抱きしめ、唇を重ねる。

「好きなように生きる事も大事だよ、自分を抑え込んだりせずにね」

更に肌を密着させるように抱きしめ、耳元で囁く。

「私は女の子が好きなんだ、女のくせしてね」

セイの顔が赤く染まるのがハッキリと分かる。

「誰かだけが好きって事は無いし私はダンジョンマスター、人の法など知った事か、まあこれも狂気の内だけど欲望なんて全部狂気でしょ?怖がる事はないよ」

抱きしめられたままセイは頷く。

「その舌も治せないか努力はしてみるからね」

頭を優しく撫でているとエルが起きて来た。


 「・・・何してるんですか」

「色々と話してた」

つい襲いそうになったのは内緒だ。

「ひゃっほー元気にしてた?」

馬鹿が来たよ。

「・・・なんか酷い事思わなかった?」

「思った」

「一応神様だよ?ちょっとは遠慮とかしようと思わないの?」

「ダンジョンマスターに遠慮を求めるの?」

「そりゃそうだ」

「・・・で、何しに来たの?」

「ちょっと色々メニューの内容追加してみたから説明に来たんだけど」

「システムメールで送ればいいのに」

「他のダンジョンにはそうしたよ~」

つまりお気に入りの私には直接か。

「・・・で何してるの」

背後に回ってアザトースに抱き着く。

「私の性癖は解ってるよね?女子高生のその姿だとあんたも私の狙う対象に入るよ?」

「・・・そういやこいつ女好きだった」

「で何を追加したの?」

「離れる気は無いよね、まあ今回追加したのは校舎の再利用だよ。生徒同士で話せる運動場と中庭、生徒同士で物を売り買いできるマーケットを体育館に作ったよ、これからも色々創っていく予定だから実装するたびに報告に来るよ」

なるほど、確かに便利だ。

「でもダンジョン同士での戦いもあるんだよね」

「ダンジョンバトルだね、お互いのダンジョンの入り口を繋げて互いに責め合うよ、ダンジョンバトルではマスターは死んでも生き返らせてあげるからまあ死なないと思うけど頑張ってね」

「どうやって行くの?」

「ダンジョンメニューから転移魔方陣を発動できる様にしてあるから、あとマスターが学校に来ている間はダンジョンの入り口を封印しといて上げるから安心してね」

「そう、ありがとうね」

「そう思うなら胸を触ってるその手をどけて」

「ハイハイ」

アザトースから離れる。

「そんじゃ頑張ってね」

アザトースは何処かへ消えた。


『どうなさるのですか?』

「行くわ、会いたい人もいるし」

『そうですか』

「それじゃあセイはついてきて、エルはコロと待っててね」

「セイに手は出さないでくださいね」

釘を刺された・・・まあ仕方ない、どのみち彼女が望まない限りはしないけど。

「それじゃあ行ってくるね」

少しある物を持ってセイと地面に現れた魔方陣に入ると光に包まれて乗り物に酔ったような感覚が一瞬訪れた後、フッと引っ張られるような感覚がして私とセイは我が愛しの掃きだめへと転移した。

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