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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
8章 罪は私を緋色に染めて
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84話 罪は私を緋色に染めて7

 お茶を飲んで一息吐いた所で、必要な事を確認する。

一つ、書庫にて紛失した書物の題名とジャンルの確認。

二つ、地下花街を荒らす者たちの黒幕を見つける。

三つ、今後このような事が起こらないようにするための対策の考案。

四つ、豊のお酒完成を待つ。

「ちょっとまって、最後のは関係無くない?」

「関係は無いけど大切な事」

「…………」

相変わらず赤くなってる豊の頭を撫でて、共に書庫へと向かう。


 「無くなっているのは……歴史書、政治学といった内容か、一体何が目的だ?」

書庫の記録をパラパラと捲りながら考える。

「なんか政治について勉強させたくないとか」

「……豊、それだわ」

「え」

適当に言ったみたいだが恐らくそうだ、ほんの少しでも政治に民を触れさせないようにしたいと言う事か……なるほど、明らかにそれはマーガレットの思想に反している。

そのような事を行う動機のある物となると……誰だろうか?


 考えていても埒が明かないと、書庫を回りながら興味を引かれた物を見ていく。

「魔術術式についてか……私には意味が無いかな」

少しページを捲った後に、本を戻す。

内容は入門編といった感じで私には不要な物だった……まあ、魔術術式は基本が出来ればある程度出来るからこれでも十分なのだが。

「これはこれはニュクス殿、何かお探しですか?」

声を掛けられて振り向くと宰相が居た。

「ああ、紛失した書物の内容を調べるついでに、少し魔術関連の物をな」

「そうですな……ですが、何故あのようなジャンルばかりが盗まれたのか……」

「それを調べているのですがね」

「そうですか、頑張って下さいな」

そう言って宰相は去っていった。


 「……今、あの人なんか嘘を言ってる感じがした」

豊の言葉に頷く。

「そうだね、感覚の鋭い豊には解りやすいみたいだったけど、多分書庫の犯人は宰相だ」

「なんで言い切れるの?」

「書物は紛失したとしか言われて居ない、可能性としては書庫員の不手際、借りたまま未返却の状況で記録の付け忘れなど色々考えられる、それなのに盗まれたと限定して言えるのは犯人だけだ」

「そう思い込んでるだけって事は無いの?」

豊に聞かれて苦笑しながら首を振る。

「あの記録を見る権限は書庫員を除いてはマーガレットと私しか持ってない、それなのに盗まれたジャンルを知っているんだよアイツは」


 「一つは解ったが、もう一つがはっきりしないな、恐らく宰相だと思うのだけど理由が無い」

「もしかして……胡蝶さんとマーガレットさんの繋がりを知っているのかも」

「あり得るな、寧ろ感付いているという方が近いかもしれない」

となると、一度二人の関係を詳しく聞く必要があるだろうな。

また花街へ行くのか、日に何度も入ると目立ってしまうが、日を先延ばしにするのは危険すぎる。

「花街に行くよ」

「分かった」

豊を連れて再び花街へ戻る事になった。

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