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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
8章 罪は私を緋色に染めて
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78話 罪は私を緋色に染めて1

暫く豊と戯れてから必要な書類を取って会議室に向かう。

「遅れてしまいましたか?」

扉を開けるとある程度の面子が揃って居たのでそう聞くが、マーガレットは首を横に振る。

「いや、まだ宰相が来てねぇ」

軍務尚書の言葉を聞いて首を傾げる、性格的に真っ先に来ても納得出来るからだ。

すると扉が開いて宰相が入ってくる。

「どうかされましたか?」

「いえ、大丈夫です」

そう言って宰相が席に着くと会議が始まる。


 「……定例報告は以上ですね、それではそれ以外の事で何かありますでしょうか?」

無駄に長く内容があまり変わらない報告が終わる。

正直眠かった、議員が国会で寝る気持ちが分かった気がする……私が眠いのは資料のまとめとか、その後に豊の相手をして余り寝れて無いのが大きいけど……それでも居眠りは駄目だよね。

まあそんな事よりもだ。

「私から一つ宜しいでしょうか」

「何でしょうニュクスさん」

公私で私の呼び名を変えて戸惑う事の無いマーガレットは結構凄いと思う。

「華相院の零元教官の処遇について提案があります」

一部を除いて会議に集まっていた面々が騒々しくなる……殺せとでも言うと思っているのだろうか?

「何でしょう?」

「零教官は確かに問題となる行動を起こしましたが、実質の害はごく僅か、そして行動は反逆ではありますがそれは裏切りではなく、ひとえにこの国の為を思っての行動です、ある程度の合意を得る事が出来れば優秀な教官となるでしょう」

「そうですね、それには私も賛成です、今後生徒に悪意ある危害を加えない事を呪術などを使用したうえで誓わせるならば、華相院は受け入れます」

……特に話はしていなかったが、碧火が味方になるのは強い……己の妹が傷付けられた上でそれに囚われず、冷静に判断を下すその姿勢を冷酷と見る者も居るだろうが。

尤も彼は太公望こと姜子牙、軍略において彼を超える事は恐らく私でも難しい……盤上訓練は別だが。

「私もそれには賛成ですな」

宰相もそう言うとマーガレットは頷く。

「この件に関しては碧火に任せます、説得に関してはお願いします」

「了解しました。」


 「他にはないでしょうか?」

「俺からだ、最近国庫の管理に対し、持ち出し等の記録改竄かいざんが見つかった、それと一部の書物が紛失する事例が発生している、一応の警備は強化したが止まる気配が無い、何か問題が無いか注意しておいて欲しい」

軍務尚書の言葉に重ねる。

「その件については私も調査をさせて貰う、もし何かあれば例え誰であっても叩き潰すから仮に此処に居るなら早めに白状するように」

ほぼハッタリの完全な牽制だ……身に覚えの無い者は別に悩む必要は無いだろう。


 「さて、これで会議を終わらせて貰います」

全員が解散していく所でマーガレットに視線で呼ばれ、近くに行くとそっと封筒を渡される。

「後で豊さんもつれてその場所に来てください、見張りの物には同封してある指輪を見せれば通すように言っておきますから」

囁かれた言葉に頷いて、その場を立ち去る、中を見るのは一旦ダンジョンに転移してからだ、今はどこに監視の目があるか分からないのだから。


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