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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
7章 束の間の安寧
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74話 束の間の安寧14

 「はいは~い、ダンジョンバトル終了、取り敢えず強制集合……そうしないと来そうにないのが居るからね、それと空と碧火は帰るらしいで~す、なんか仕事があるらしいね」

アザトースの声が響いたと思うと真っ白な空間へと放り込まれる。

……転移か、ダンジョンコアの能力で自分のダンジョン内と何故かマーガレットの居る城へは行けるが解析して居るのになかなか理解できない魔術だ。

まあそれは良いとして。

「ここどこよ、白いけど」

「ダンジョンバトルの結果発表部屋、作ってみたけど……あれ、橘花とアリスが居ないね、なんか固定する魔法でも使ったみたい、ちょっと行ってきて」

「は?」

なんか足元に魔法陣が出てきて飛ばされる……強制か。


 「なにしてるの橘花……いや、言わなくても分かる」

自爆覚悟でアリーと自分を固定したようだ、アリーに殺さないように命令している事を分かった上での行動だろう。

「終わったみたいだから解いたら?」

そう言うと橘花は苦笑いする。

「それが……私自身の魔力制御も封じてしまったので解けないんです」

「あ、そう、じゃあ私がやるから、怪我させたらごめんね」

【裁断】

二人を固定しているくさびを木っ端微塵に破壊する。

「なんでその技を……」

自由になった橘花は驚いている。

……仕方ないだろう、同じ攻撃系統の方が破壊しやすいんだから。

「そりゃあ私はアリーと記憶を共有できるからね、でもって私のタロットを経由した魔法操作で再現した」

「……ああ、はい、いつもの事ですね」

なんだか諦められてる感じがする。

「ええと、なんか悪いけど戻すよ~」

アザトースが再び転移を発動させたのかまた白い部屋に飛ばされた。


 

 「それじゃあ結果はセイのダンジョンだね、契約通りエルは今後セイの邪魔を出来ないよ、セイがその契約を破棄するなら別だけどね」

それを聞いたセイが頷く。

『ところでエルは?』

アザトースは悪戯っぽく笑みを浮かべる。

「再生中、見る?半分以上ただの肉塊だけど」

「セイ、止めといた方が良い、アザトースがそんな風に言うなら見たら精神が汚染されるから」

「寧ろそれは星華の方でしょうが」

「なんか言った?」

「いや何も」

どうでも良い事で軽口を叩いてるとこいつ邪神に見えないな。

……いつもの事か。


 「それで星華の方でも何か必要なものがあるなら多少の融通は効くよ」

「それじゃあダンジョンメニューのバグ治して」

「へ?」

アザトースが間抜けな声を出すからわざわざメニューを開いてそれをアザトースに見せる設定にする。

「ほらこれ、システムの所が前までは『閲覧権限がありません』だったのが『表示できません』になってるんだけどこれってバグじゃないの?」

「うわ~これはバグっていうより処理能力が足りてないね、でもって優先順位が低いから表示できてないのか……これが終わったら直ぐに改善作業始めるけど一日かかるよ」

それは仕方ないか、ダンジョンコアの処理能力と記憶容量を上げるなら魔術的な要素が必要になってくるだろうから。

「なんでこうなったの?」

「それがさ~、実の所星華が使ってるダンジョンコアって一番最初に作った奴なんだよね、だから他より出来る事多いんだけどその分処理能力とかが足りなかったりするんだよ」

……つまりは修正作業をするまえの奴か、ダンジョン以外に転移できるのもそのせいかな。


 「それじゃあ一旦解散!」

アザトースがそう言って手を叩くといつの間にか私はセイとアリーを連れて自分のダンジョンに戻っていた……エルはエルのダンジョンに飛ばされたのかな。

「嗚呼、疲れた」

そう言いながら両手の指を組んで上に持ち上げ大きな伸びをする。

…………なんかゴキッって感じの音が聞こえた、嫌な予感がする。

試しに肩を回すと今度はバキッって聞こえた、明日は多分動けないなこれは。

「セイ、ちょっと帝国の方に行って豊を呼んできて、整体技術あるから」

……その技術も私の為に覚えたらしいが。

それはともかく、セイが頷いて私が権限を与えた転移を使う。

一斉に反抗している体を動かして靴を脱ぐとベットに倒れこむ。

それ以上動く事は出来なかった。

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