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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
7章 束の間の安寧
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71話 束の間の安寧11

 自分の方に迫って来る焔を見る。

……多分大丈夫だ。

【邪術・悪魔の嘲笑デビルズスマイル

最大出力で迎え撃ち、素早く回避する。

焔を歪めて破壊することは不可能だろうが、後から付与された追尾性能を少し歪めて外す事なら出来る。

だが、それでは意味が無い、空もこの程度は予想の内なのか、次の発射をしようとしている。

……もうどうにでもなれや。

【ユニークスキル、狂気・狂樂の宴】

【ユニークスキル・鬼女の理きじょのことわり

身体強化の重ね掛けだ……因みにこれをやると次の日は全身が猛烈に痛い。

そんな事は良い、この二人にはこれをするだけの価値がある。

「これで本来の実力の120%ぐらいは出る、さあ、行くよ」

匕首は地面に突き立てる、この状態なら素手で構わない。

【掌底】

ただの一撃で碧火を吹き飛ばし空の方を向く。

「隙だらけやで」

【鉄爪・首狩り】

かなりの速度で首へと鋼の爪が迫って来る、確かに常人なら確実に仕留めれるだろう。

「甘いよ」

それを素手で受け止めると鳩尾に蹴りを打ち込む。


 「……化け物か」

「まあ【鬼】だからね、ほぼ化け物かな」

色々と研究したおかげで鬼女化の性能が格段に上がって居る、もはや本物と大差ないだろう、アザトースなんか素の状態で鬼より強いとか言いおったし。

「油断しましたね」

声が聞こえて振り返ると碧火が雷公鞭を構えている。

……あ、流石にこれは喰らったらヤバイ。

「ワシもいくで」

空も魔術を発動しようとしている。

流石に挟まれた状態での回避は無理がある、そしてどちらも即死級の一撃。

ヤバイかも。


 「どっちに転んでもこれで最後や」

【罪焔・迦具土カグツチ

【宝貝・雷公鞭】

もう防ぐしかない、一度も成功した事の無い魔術だがこの状態なら行ける。

つちのと天岩戸あまのいわと

己は土の弟、土気と陰を合成した。

それを地面付けた掌から地中に流し、魔力で強化した自分を守る岩のドームを作る魔術だ。

術の名前は定義づけによって少しでも強くなればとこれにした。

……結果、半分は成功だった。

正面である空の方は防げたが、完全に真後ろであった碧火の雷公鞭の余波を受けて動けなくなる。

だが、それは碧火も同じだ、雷公鞭は一発でかなりの力を奪う、もう動く気力など無いだろう、空も同じく動けなくなっている。

……まったく、辛勝だ。


 ぽろぽろと岩のドームが崩れていく、最早動く体力などない。

「楽しかったね~」

「そやな、やっぱり星華は強いな」

「空も碧火も十分強いよ、あ、瘴気は消しとかないとね」

そう言って、瘴気を全て吸収する。

何故なら普通の生物には猛毒だからだ、この二人には効果が無かったが。

「まあお互いに目的は達成しましたね」

「そうだね、お互いに援護に行かさない事には成功したね、じゃあ私は寝る、終わったら起こして、お休み~」

「相変わらずの精神力やな」

空のツッコミをよそに既に全身が悲鳴を上げている私はそっと目を閉じた。


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