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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
7章 束の間の安寧
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70話 束の間の安寧10

 「……ん、嗚呼もう来たのか、予想より随分早いな、仕方ないか」

少し休んでいた所を聞こえてくる足音に起こされる。

仕掛けで結構稼げると思ったけどそうでもなかったか。

「よく来たね、空、碧火、私の部屋へようこそ……って分かってたか」

「そうですね、あれだけ瘴気の濃度が濃ければ解ります」

「逆に全く瘴気の無いのがアリスやろ?」

「そうそう、アリーはやろうと思えば瘴気ぐらい出せるけど今回は誰か来るまでは出さないように言っておいたからね」

ただのヒントだ、彼らの行動を制限するための物だが。

もし私がセイかアリーと合流しては勝ち目が無い、だから碧火と空が私を抑えている間にエルか橘花が攻略してくれるのを祈るしかない。

尤も、私が増援に行く必要は無いだろうけど。


 「……ところであの仕掛けはなんやねん」

「あの仕掛けって……賢者の門の事?」

賢者の門はダンジョンマスターによって設定された問題を解いた者だけが通れるというRPGにありがちな仕掛けだ。

「ああ、だがそれはええんや、問題の難易度おかしないか?」

「大した問題じゃないでしょ、斜め上の発想とか要らないし」

「……辞書一冊分ほどある術式の構築を解析する事のどこが簡単なんや」

そうかな、最近作ったのだと辞書十冊はあるけど。

それをアザトースに試させたらダンジョンが持たないと言って封印された。

「別に大した内容じゃないでしょ」

「そやな、あれの内容は扉を開けるだけの術式やったし」

……話してる内に段々と飽きてくる。

「もういい?さっさとやろうよ」

そう言って匕首を抜くと軽く振って見せる。

「碧火、最初から本気でいくで」

「そうですね、加減して通用する相手じゃないですし」

……少しは楽しめそうかな。


 「うんうん、確かに強いね」

「ワシらの攻撃を全て流してる奴の言葉やないな」

そう言いながらも打神鞭の攻撃を搔い潜りながら背後からの空の攻撃も匕首で受ける、正直反撃できる隙が無い。

反撃しようものなら、どちらかの強烈な反撃を食らう事になる。

……まあ方法はあるけど。

【ユニークスキル・殺人領域キラーゾーン

答えは無差別攻撃、これなら前も後ろも関係ない。

当然防がれるが一瞬のスキを付いて二人から離れ修復しておいた雷公鞭を取り出す。

「食らいな」

【宝貝・雷公鞭】

だがそれが放たれる直前に雷公鞭を持って居た右手に痛みが走り、それを落とした瞬間に何かがそれを碧火の下へと運んで行った。

「……ええと、名前なんだったかな、ああ、落宝金銭か、宝貝を奪う宝貝、封神演義の原作にあったねそんなの」

「よく覚えてますね、まあこれは模倣物ですが」

当然だ、本物はそれの製作者と共に無くなっている。

「さて、これで終いにしよか」

そう言った空の手は白い焔を纏っている……あれ明らかに食らったら死ぬ奴だ、なんかもう色々と定義がおかしい、第一、五行に縛られない火を扱ってる時点で普通じゃ無い。

そんな事が出来るとすれば一つしかない……神格による権限の行使だ。

「流石の星華でもこれを耐えるのは無理や、それにこれは対象を追尾する、なに、暫く動けなければいいんや、諦めるんやな」

【罪焔・迦具土カグツチ

いや絶対殺す気でしょコレ。

迫りくる焔を前に私が出来たのは一つの術式の構築だった。

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