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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
2章 侵入者と新たな仲間
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6話 訓練

 何となく目が覚めたので、いつもの様に戦いの訓練を行う。

居住区では危ないのでマスタールームで匕首を抜き、空想の敵を相手に攻撃をする。

相手は結構強い者を思い浮かべるが、今まで想像の敵以上に強い相手と戦った事は無い・・・大抵は楽勝だったので最近は行っていなかったけれど、これからはどうなるか分からないから、再開しよう。

ちなみに忘れていた自己紹介は寝る前にしておいた。


 一時間もするとセイが起きて来て私の動きを見ている事に気が付いた。

「いつから見てたの?」

『少し前からです』

セイはアザトースに貰ったページが無くならないという無駄に便利な効果が着いたメモ帳とインクが無くならないペンで教えてくれる・・・贔屓じゃないのか?邪神だから良いのかな?

「エルは?」

『私を背負って運んでくれていたので疲れてまだ寝てます』

「そう」


 再び訓練を再開して暫くするとセイが何かを書いて見せて来た。

『私に戦い方を教えて貰えますか?』

「良いけど、少し戦い方を見せてくれるかな?」

『はい』

そう書いてからセイはペンとメモ帳を置き、ナイフを使って基本的な構え、攻撃、防御などを一通り見せてくれた。

・・・思ったより上手い、これは独学だろうからあまりアドバイスすると悪くなる可能性があるね。

「基本的には今のままでも十分だよ」

『でも強くなりたいんです』

私ナイフは苦手なんだよなぁ、基本的に隠し持って刺すくらいにしか使わないし。

「じゃあ、訓練はしようか」

ちょっとダンジョンから出て木材を切って来て、それを加工してセイに渡した物と同じサイズの模擬専用ナイフを二本作る。

「これを持って」

そう言うとセイは頷いてナイフを手に取る。


「それじゃあ始めようか、訓練。私が相手になるから本気で来てね」

セイは頷いてナイフを構える。

「いくよ」

そう言って私は距離を詰めて斬りかかる、それを避けて喉元に迫って来た木の刃を峰で受け流し反撃を仕掛ける。

「結構強いね」

幾ら私がナイフに慣れていないとは言え、攻撃速度は結構な物だ、それを楽々ととは行かないが認識して対処出来ている。

セイは少し嬉しそうに笑った後、表情を引き締めて攻撃の手を強める。

でも勝つのは私の方だ。

素早く足払いを掛けて倒れそうになったのを途中で抱き留める。

「大丈夫?」

セイは頷いた。


「何をしてるんですか?」

見るとエルが刀を持って居る。

「訓練だよ、別に襲ってた訳じゃ無いから」

「そうですか」

エルは安心したように刀を鞘に納める。

「襲われてたら私と戦う気だった?」

挑戦的に笑って見せるとエルは驚いた事に頷いた・・・根性はありそうだ。

「じゃあ勝負しようか、セイは離れてて」

セイが離れたところで私はエルに向き合う。


「その刀を使っていいよ、お互いに殺さない程度で止める事、いいね。」

「はい」

エルが刀を構えた所で私はエルに向かって走り出す、そして匕首を振り抜いて一気に決着をつけようとする。

「速い」

「流石に防ぐかぁ、反撃は出来なかったけど反応出来ただけ上出来かな?」

「僕も行きますよ」

エルは刀を片手で持つと深く息を吸って重心を下げる。

【斬撃・退魔】

一気に繰り出された連撃は光を放っていて、いかにも聖属性といった感じだ。

「これでも勝てませんか」

「スキルだよね、良い物を見せて貰ったよ」

「一回が限度で溜めも必要ですけどね」

「お礼に私のスキルも見せてあげるよ、ついてきて」


 二人を連れてダンジョンの外に出ると手頃な獲物を探す。

「囲まれてますよ」

「野生のゴブリンか、ちょうどいいね、下がってて」

二人が急いで下がると私は匕首を抜きながらダンジョンのすゝめにあったスキルの説明を思い出す。

(攻撃と特殊効果を付けたりする物の二つがあるらしいけどこれは両方かな。でもってその人固有のユニークスキル、これを使ってみよう。)

使えるスキルはダンジョンメニューから味方の物は見ることが出来た。

「さあ、いくよ」

ゴブリン共は標的を私に絞ったらしいが都合がいい。

【ユニークスキル・殺人領域キラーゾーン

スキル発動と共に匕首を振るい、一瞬にして六匹のゴブリンを屠る。

「何を?」

エルが聞いてくる。

「殺気で威圧して一気に切り伏せただけ、スキルとしての補正があるから自分より弱い相手にしか効かないけど一定範囲内の相手を大勢であっても確実に殺す技だよ」

「殺人領域ですか、僕では絶対に勝てないですね」

「二人ともその内耐えれるようになるよ」

要するにビビらなければくらわないんだから、ある程度以上の相手には効かない、雑魚掃除ぐらいのものだね、私だからある程度以上はまあまあ高いけど。

「さあ、取り敢えず帰ろうか」


「それじゃあ君たちが居た村はこのダンジョンからで出た場所から見える唯一の村で良いんだね」

「はい」

私たちはダンジョン内に帰ってきて今は簡単な計画を立てている。

「旅芸人っているよね」

「いますけど、どうかしましたか?」

「計画を思いついた」

そう言って二人に計画を話す。

「可能だと思う?」

『問題ないと思います』

それならと、ダンジョンメニューを操作し残っていた50DPを使って黒がメインカラーの動きやすいドレスを一つ、私に合うサイズの物を購入して来てみる・・・・・・勿論エルにはあっちを向かせてだ。

「どう?似合うかな」

「凄く・・・綺麗です」

『今までこんなに綺麗な人を見た事ありません』

なら大丈夫そうだね、取り敢えず今まで着ていた制服は畳んで居住区に置いておいた。

そして持つように二人に言い、ダンジョンの入り口の洞窟をカモフラージュして侵入者を防いでおいた。

後はコロにご飯を上げる・・・ついでに食料も強奪して来よう。


「さあ、出発しましょう」

「はい」

『はい』

私たちはダンジョンを後にして、村へと向かい始めた。

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