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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
6章 華相院の問題児
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59話 華相院の問題児20

 「橘花、刀に入ってる瘴気を貰うね」

そう言って刀から大量の瘴気を抜き取って球状にする。

口に放り込んだそれは元々形無いものだから直ぐに取り込まれる。

……飴玉にも似ているが何の味もしなかった。

「瘴気を固めて食べるって、相変わらず常識崩壊してるねー」

「さっさと帰れ、私は今かなり機嫌が悪い」

当然だ、今目の前で薄く笑っているこいつこそが私に毒を与えた犯人なのだから。

「やだよ、さあさあ、アンタを殺して闇に捧げるとしようか」

【独善・吊るし首】

私の真上に絞首台が表れてロープが伸びてくるが、タロットの刑死者のアルカナから身代わりの人形を作って逃れる。

「……死ね」

【狂気感染・虚無】

体の弱っている今では数秒しか続かないが十分だ。

私には過去の記憶がない、自分が何者か、どんな人間なのか一切分からない、その狂気を乗せたこの呪は相手の記憶を封印する。

「あ、あれ、魔法の使い方が分からない?」

呪術の効果はすぐに切れるが勝利は決まったようなものだ、記憶を白紙にはできなかったが、魔法を使えなくはできたのだから。

【斬首、公開処刑】

一瞬の内に打ち込んだ攻撃は簡単に躱され、当身で吹き飛ばされる。

「殺してやる」

「それ以上近づいたら今度は全ての記憶を消すよ、人格ごとね」

「……今回は帰ってやる、こいつは置き土産だ」

【口寄せ・祟り神】

魔法陣が開いてあいつの体が消える代わりに凄まじい瘴気を持った死体が表れる。


 「ゾンビですか」

「祟り神とはね、まあ、壊せばいいだけだ」

瞬時に頭の中で呪文を唱える。

カードが表すは人の一生、だが人の多くは死で立ち止まる、しかし死はまだ半分でしか無いのだ。

【タロット・Na13、死神】

先ほど倒した死神デスの力を纏い、鎌を振り下ろすと祟り神はその瘴気ごと切り裂かれ、魂を奪われてただの肉塊へと戻る。


 「くっ」

「大丈夫ですか!」

思わず膝を付いた私に橘花が駆け寄ってくる。

「狂気感染は負担が大きいな、さっき回復した魔力がもう空だ、少し休む、あとは任せた」

そう呟いて私は体を抱き寄せてくれている橘花に預けて意識を手放した。

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