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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
13章 天軍を統べる者
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189話 天軍を統べる者1

 天軍から呼び出しを受け、とよと共に大広間へと向かう途中で、天音と合流する。

 移動しながら天音の話を聞くに、どうやら、そろそろ進軍を開始する予定の様だ。

 ……結構かかったな、私が兵士を徹底的にしごき倒した結果、行動不能になる者が続出したり、その他の嫌がらせの結果もあるだろうが、それにしてもこの国の戦史と比べるとかなり遅い開始となるだろう……私がこの国に来た一件も進軍ではあるが、攻撃の期間がこれほど開くのも普通は無い事だ、何かあるかもしれないと考えておくとしよう。


「それにしても、星華せいかさん、凄い服装ですね」


 思考を天音あまねにぶった切られたが、私は気にせず、自分の服装を改めて見る。

 裏に色々武器を仕込んだ丈が足首の近くまである黒のロングコートに、黒い靴、防寒用に白いマフラー……なんか分かった気がするけど、念のため、聞いてみようか。


「そんなに……似合ってないかな?」

「いえ、似合いすぎる程に似合ってますよ、ただ、マフィアの親玉にしか見えません」

「まあ……似たようなもんだし」

「……そうですね」


 否定されなかったのも悲しいが、以前暮らしていた世界では大体そんな感じの生活だったしなぁ。


「うん、星華ちゃん、服の裏に武器仕込んでるしね」

「……天軍に使う気じゃないでしょうね」

「使わないよ、現状逆らえないし、仕込んでるだけ」

「……あ、扉が見えてきた」



 扉を押し開けて大広間に入ると、既に多くの人や、天使が集まっていた。

 奥にある台の上に居る一人の男が、演説を開始する。


「大いなる神に仕える者達よ、長きにわたり続くこの地の争いに終止符を打つ時が来た、この戦いの始まりは今から三百二十四年前のこと…………」


 延々と続く、長いだけで内容の薄い話に早々に飽きた私は、部屋の隅に移動して部屋に居る者の観察を始める。

 多くの兵や、神官は真面目に話を聞いているが、天使達はその人々を見つめるだけで話を聞いているようには見えない……そもそも、話の内容は天使が言ってる事と、何ら違いが無いため聞く必要が無いのだろうが。


「天音、あそこで偉そうに騒いでる男はだれ?」

「……知らずに聞いていたんですか、この国の教皇ですよ」

「ふーん」

 

 天使長の眼を使って見ると、教皇の体は外側にある皮と骨だけで、その中に詰まっている血の滴る潰れた肉塊とはらわたの塊がしゃべっているように見えるのだけどね。

 それを普通の人間に見せるために、恐らく幻術の類を使用しているのだろう……それを解くのは簡単だが、それをするのはもっと劇的な場面であるほうが好ましい、今は見逃しておいてやろう。


「星華ちゃん、なんかあの教皇怖い」

「……まあ、今の所は大丈夫だと思うよ」

「……余計不安になった」


 豊にはあのグロい肉塊の姿は見えてない筈だけど、本能的なもので危険を感じ取っているようだ……正体を伝えるのは後にしよう、発狂しかねない。

 ……どうやら、前座は終わり、今後の動きについて発表するようだ、これに関してはしっかり聞くとしようか。

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