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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
12章 黒い翼
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188話 黒い翼24

「……ようやく材料がそろったか」


 自分のダンジョンの奥で、アザトースによって届けられた材料の山を眺める……これは以前のダンジョンバトルの勝利後の要求として依頼していたものだ……随分とかかったが、高価な魔力を通しやすい金属は、量を手に入れ辛い事もあり、仕方ないともいえる……鉄や銅、錫などの基本的な金属も100キロ単位で要求したしね。

 ……軽量化にはアルミを使うのが良いのだが、今回は要求していない……銅や鉄と違って溶かしても単体に近い状態で取り出せないから仕方ない。

 まあ、どうしても必要となれば、ダンジョンの機能から頼めばアザトースが仕入れてくれるだろう……ダンジョンマスターが鍛冶をする事を想定していなかったみたいで、金とか宝物枠の一部の貴金属を除いて、金属のインゴットは、通常のダンジョンの注文リストに入っていないんだよな……そこまで工業が発達していないこの世界では高純度のインゴットがお宝だとは思うけど、それは言ってはいけないのだろう。


星華せいかさん、ここに居ましたか」

天音あまね、ここは結構遠いと思うんだけど、どうやって来たの?」

「最近習得した転移で」

「……よくできるね」

「私は魔力だけなら平均より随分高いようでして」


 私が言うなと言われそうだが、転移は必要魔力以上に術式の構築が非常に難しい、といっても失敗しても一部だけが転送されて足を無くすとかにはならない、失敗したら何も起きないだけだ、とはいっても習得は非常に難しいと言っていい……天音の類稀なる集中力のなせる業か。


「ですが、この魔法は非常に強力ですね……いかなる状況からも脱出できる上、一切気付かれずに背後を取れる魔法というのは」

「そうだね、使い方次第では相手の飛び道具を打ち返す事も出来る程度に汎用性の高い魔法だね」

「……私にはそこまで瞬時に構築は出来ませんよ」

「……まあいい、それで、何の用?」

「貴女への仕事です、明日にでも提出してください」


 そういって天音は書類の束を机の上に置き、置いてあったインゴットを重しとしてその上に置く。


「それで、貴女は何をしていたのですか?」

「魔道具開発の準備」

「そうですか、それでは邪魔をしないように帰ります」


 天音は転移で帰っていった……十分術式の構築は早かったように見えた。

 まあ……今は、魔道具の開発に取り掛かるとしよう。

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