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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
4章 第二期ダンジョンバトル
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18話 稲神

 真っ直ぐ向かってくる矢を切り伏せながら突撃し、切りかかる。

「星華は強いよね」

「それを容易く受け止める豊も十分にね」

刃付きの弓で受け止めている豊に鍔迫り合いを仕掛ける、私の方が腕力はある。

「させないよ」

豊がそのまま弓に矢をつがえようとした瞬間受け止めていた弓を横に受け流して回し蹴りを叩きこむ。

それを流石に避けられず豊は遠くに吹き飛ぶ。

「相変わらず化け物だね、少なくとも女の力じゃない」

「豊がそれ言う?その弓結構な強弓だよね」

強く張られた弓の弦を引くのは体力が要る、それにブレをなくすのも技術と握力が必要だろう。

「私は練習、星華は素でしょ?結構な差だよ」

・・・まあ私も訓練はしてるが準備体操に近い。


 「このままじゃ流石に負けるよね、じゃあやるか【弓術・五月雨】」

豊が上空に打ち上げた矢が複数に分裂して降り注ぐ・・・これは魔法、氷か。

「そう、私は宇迦之御魂・・・お稲荷様を神格として宿してるからね、矢も氷で生成するよ」

やはり神格を持ってたか、厄介だ、だけどどうにかなるかな。

降って来た矢を打ち払い、切り込む。

【模倣人形・アイスドール】

突然作り出された氷の彫像が襲い掛かってくる。

・・・それにこいつは。

「私か」

「そうそう、模倣した相手と物理的能力が同じなんだよね」

ドッペルゲンガーかこれは、厄介だ。


 匕首を構え、氷像に切りかかるが防がれ、返される、近接戦闘の能力が同じというのは間違いなさそうだ。

打ち合い、斬り合い、攻防を続けるが進歩は無い。

「私も居るよ」

時々横から飛んで来る矢も打ち返しながら戦いを続ける。


 「砕けろ」

お互いに刃を打ち合った鍔迫り合いの状態で氷像の胸の部分に掌底を叩きこむ。

ピシリとヒビが入るが持ちこたえた。

そこに空の爆弾を取り出し火を付けて投げつける。

氷像はそれを打ち返そうとして砕け散った。


 「まあ仕方ないか、戦力は模倣できても技術や道具は模倣できないしね」

決着をつけよう。

【抜刀術・斬首、公開処刑】

一気に迫り、鞘から振り抜いた刃は首に迫る。

ガキリ

「・・・氷」

「氷壁、危なかったよ」

それを阻んだのは限りなく透明な氷の壁、私でも近づかなければ視認出来ないほどの、それでいてなお私の一撃を阻むほどのものだ。


 ・・・豊の能力は厄介だ、だけど私にも方法はある。

持っているタロットの中の一枚に魔力を流し、力に変換して武器に流す。

私にはこれが一番効率が良い。

使ったのはコインの1、余り数の多い物は制御が難しい。

属性は土だ、五行において水は土に負ける。

そして再びスキルを放つ。

【抜刀術・斬首、公開処刑】

今度は氷壁も物ともせず豊もろとも切り裂く筈だった刃は氷壁を打ち砕いたが、豊には届かなかった。

「光の屈折で認識がずれていたか」

まあ仕方の無い事だ、再び匕首を構える。


 「・・・・・・降参、もう無理だよ」

降参の宣言が出たのは止めの直前で、私は刃を止める。

「流石にもう無理、やっぱり勝てる相手じゃなかった」

「二人ともお疲れ~豊も凄いよ、星華にあそこまで迫るなんてね」

「そうね、結構苦戦したよ」

「私なんて大した事ないよ、空ちゃんの病がもし治ったら私なんて相手にもならないだろうし」

・・・まあそうだろう、はっきり言って空は私と同じ規格外だ普段は病によって制限があるからそこまででもないけど、その状態でも強いという事は全快なら私と互角だろう。

「やっぱり魔法は強いな、私も訓練しないと」

「豊の魔法は厄介だからね、苦戦しても仕方ないよ」


 「まあそれは措いといて星華ちゃんの勝ちだよ~」

「基本的に奴隷になったらどうなるの?」

「取り敢えず絶対に逆らえないし裏切れない、あと全ての権利は支配者の物だよ」

「解った、それじゃあ私は戻る、豊は付いてきて」

アザトースは他の事があるからとその場を後にし、私は豊を連れてダンジョンに帰る。


 「取り敢えず今後だけど、今ある豊のダンジョンの管理は基本的に任せるよ、あとこっちでも豊のダンジョンに侵入者が居れば分かるみたいだから、基本はこっちに居て」

「解った、で他には何かある?」

「そういえば御米ってどうしたの?」

ああ、と豊は頷く。

「DPで一俵取り寄せて、その内の半分を食用に、残りを植えてるよ」

DPでのショップも人によって違うのかな?私の処には無かったと思うけど。

そういうと豊は少し考える。

「私はお稲荷様の神格を持ってるからかな?成長もかなり早いし」

「どのぐらい早いの?」

「多分一か月で収穫できそうなペース」

それは異常な速さだね。

「あと一俵どのぐらい?」

「300DPだよ」

まあ妥当か、食料は基本高いものだし。


 「じゃあそろそろ日も暮れるし寝ようか」

「そうだね」

ベットは二つだからセイとエルに一緒に寝て貰って、私は豊と寝る。

「手を出しても良いよ~」

「今日は止めとく、疲れてるから」

「まあそうだね、お休み星華」

「ああ、お休み、豊」

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