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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
12章 黒い翼
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175話 黒い翼11

「……こんな所か」


 転移を使い倒し、複数方面から攻めてきていた小隊のほぼ全てを追い返して、一息つく。

 小隊とは文字通りに少人数で構成される部隊で、大体、十人から五十人程度の規模の物を指す……という事を最近学んだ、こっちの世界に来てから、軍を動かす必要がある可能性が出てきたため、付け焼刃ではあるが、書物を読み漁って最低限の知識は得ているつもりだが、あまり自信はない。

 ある程度は機械があるとはいえ、実戦で使われるのが弓や剣が基本であるこの世界において、基本的に数の差を覆すのは難しい……その状態で敢えて小隊を使うのは、隠密性はあるものの、決定打には欠けてしまう。


「だから何かやってくるとは思ったけど……」


 私が追い返した、ほぼ全ての小隊の荷物には爆発物が入っていた……一つ何もない場所に設置して、魔法の火で着火したところ……地面に深さ五メートルはありそうなクレーターが出来た。

 ……うつほ、本気だなぁ。

 設置と言っても、普通に地面の上に置いただけなのにこの威力とは、爆発音も凄かったし、衝撃波も感じた……爆発物の印が書いてあったから、爆弾だとは分かったけど、材料に何使ってるんだろう。

 今更だけどこれ作ったの空だよな……彼女以外に爆弾技師を知らないし。


 ……あの国の城壁ぐらいならこの爆弾一つで十分だよな、一応石材の壁だけど、正直金属の壁でも壊れそうな気がする……この爆弾、一つの小隊が、十は持ってるし。

 誤爆の危険はないのかと心配にもなるが、問題ないだろう……空がいつも使っている、起爆装置が存在せず、私みたいに魔法などで直接着火するように作ってある、まあ、単純に火薬を容器に詰めただけの非常に簡単な作りの爆弾だ……威力はすごいけど。


「現実逃避をしていても、仕方ないな……やるか」


 私が奪った天使長の眼による情報の中に、最後に残った小隊が映されている。

 ……爆弾を作った張本人である空と、もう一人はアザトースと同じクトゥルフ神話の邪神である、クトゥグアの断片、紅蓮ぐれんの二人だけのようだ。

 方や神殺しの力を持つ、加具土命かぐつちのみことの神威を持ち、もう片方は、本来であれば世界そのものを焼き尽くせるほどの存在だ……二人だけではあるが、そこらの軍を遥かに上回る破壊力がある。

 鬼の力を持つ私でも、出来れば避けたいのだが、仕方あるまい……余裕がないから大分手荒になるが帰ってもらうとしよう。


 丁度よく、少し開けた場所に居るようなので、何度も使った転移を再び発動する。

 何時ものように扉が開き、私は軽い浮遊感と共に、目的地へと移動した。

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