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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
12章 黒い翼
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173話 黒い翼9

 私が現れた事で、碧火へきかは鉄鞭を手に取り、いつでも触れるようにする。


「碧火、勝てると思っているの?」

「……どうでしょうね、ですが、対処が出来ない訳では無いと願います」


 ……碧火がそういうという事は、何かあると思っていたほうがいいな、単純な能力なら私のほうが上であっても、相手は軍師……策もなく動くことは無い。


「もし、ここで引くなら、見逃してもいいのだけどね」

「……それが出来れば、苦労はしません」


 私は諦め、匕首あいくちを抜いて右手に持つ。


「じゃあ仕方ない……帰ってもらうとしよう」


 素早く抜き取った投げナイフを飛ばし、それと共に切り込む。

 碧火の動きも早く、投げナイフを打ち落として、私にも鞭の先端が跳ねてくる……それを荊で受け止め、左の掌底で碧火の胸を打ち、吹き飛ばす。


鳩尾みぞおちは避けたか、だが無事ではないだろう?」


 掌底とはいえ、文字通り人が吹き飛ぶ威力だ、胸に打ち込まれれば、暫くは、まともに呼吸すらできないだろう。

 だが、碧火はそれを微塵も見せることなく、すぐに起き上がってこちらを見、武器を構えている。

 背後に控えている兵士たちは手を出してこない……おそらくそう命令されているのだろう。


「流石ですね……体術では分が悪い」


 そういって碧火は何かを取り出し……って、あれはまずい。

 素早く匕首を地面に突き立て、私自身は後ろに下がる。

 碧火から放たれた攻撃は、激しい光と共に迫り、匕首によって防がれる。


「これも避けられますか」

「……雷公鞭か、それは私には相性がいい武器だろうね」


 物理的に防御できない以上、電気の攻撃は避けるか、今みたいに避雷針を使うしかない……岩のドームを作る魔術を使えば、攻撃事態は防げはするが、こっちから何もできなくなる。

 雷は五行に属さない力だから、それを利用した防御もできない。

 その上、魔道具であるため、魔法を構築する術式が、魔力という非個体で作る通常の魔法と違って、金属などの固体である為、私の力で術式を歪めるという、力技で術式を壊すこともできない。

 いや、作ったの私だけど、厄介だなあれ。


「……しかもそれ、リミッター外してあるし」

「外したのは少し前です……貴女の残した書類に、これの設計図があったもので」

「ああ、それは素で忘れてた」


 私によってのみ強制的に回路を遮断する装置も仕込んでたけど、それも外されてるみたいだし、どうしようか……今更だけど荊は炭になるよな。


「……星華せいかさん、私が代わりましょう、それの相手であれば、私のほうが良さそうです」

天音あまね、あれは私が作った奴だから本物じゃないけど、相当出力高いよ」

「いえ、問題ありません」


 そういった、天音が右手に持っていたのは、先端を針のように尖らせた、2メートル程度の金属の棒だった。

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