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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
12章 黒い翼
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170話 黒い翼6

 大広間の中には、前回以上に多くの天使が居た……当然豊もいる、あと部屋の隅に6歳くらいに見える少女が何故か一人で座っている。

 今回はメタトロンはいないが、一人力のありそうな天使が居る、おそらく、ヒエラルキー第一位の熾天使(してんし)か、その一つ下くらいだろう


「人間よ、良くぞ参られた」

「歓迎を受ける気はない、豊を返してもらう」

「対価も無しにですか?」

「……人質を取っておいてその言い草か、まあいい、私達が貴様らの下に付く、それでいいか?」

「勿論です」



 さて、ここからが問題だ、出来るだけ有利な条件を手に入れる。


「勢力下に入るという事で、複数の相手から、異なった命令を受けることによる混乱を避けたい、その為に、直属の上官を付け、命令系統を一本化して欲しい」


 まあ、これは妥当な要求だろう、天軍とて、私のような圧倒的な力を持つ者を、いざという時に素早く動かせないなどという状況を作りたくないだろうからな。


「それであれば、構いません」

「なら、私に上官を選ばせてほしい、私の能力を上手く活用できない奴に従いたくはないからな…………なに、最下位の天使を上官とするような嫌がらせはしない」

「……それなりの地位のある者という条件さえ飲んで頂ければ、我々が言う事はありません」


 ……うまくいったな、私が欲しかったものの一つ目である、自分に命令する存在の任命権を入手できた……あと一つだが、こっちは失敗することは無い。



「さて、さっきのは妥当な要求だが、今度は個人的な要求をさせてもらおう」

「……何でしょうか?」

「いくら傘下に入るとはいえ、かつての友に刃を向けたくはない……だが、完全に戦わないという要求は受け入れられないだろう、そこでだ……私は防衛戦にのみ、参加させてもらいたい」


 私が直接攻め込んでは、マーガレットたちに勝機は無い、この要求は絶対に通す必要がある。


「それは……」

「受け入れられないとは言うまいな…………人質を取って味方につけた者に、かつての友を切らせるなどという事を、博愛と情を語る神が認めるというのであれば話は別だが」

「…………受け入れましょう」


 流石に、今聞いているのはほぼ天使とはいえ、認めるわけにはいかないだろう……全く、()()()()()とやらは大変なものだ。



「私の要求は以上だ、何かあるか?」

「一つ、我々の妨害をしないで下さい」

「……何のことか知らんが、私が意図的に妨害行為をすることは無い」

「ならば、構いませんせん」


 そういえば、もう一つあったな。


「この契約は何時(いつ)までだ?」

「……この戦争の終結までで、よろしいでしょうか?」

「それでいい、ならば協力しよう」


 用意してあった書類に契約事項と名前を書き、あっさりと契約が結ばれた。



「部屋を用意しました、ご案内します」


 途中から、少しの間退出していた天音(あまね)が帰ってきて、私と豊を部屋へと案内してくれた。

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