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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
4章 第二期ダンジョンバトル
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16話 会いたい人が居るから学校に行く

 ・・・学校に行こう、決意したらすぐに行動に移す。

今回は皆はお留守番で一人で行く、会うつもりの相手が相手だから。

そんな訳で必要な物だけ持って転移した。


 転移の時のこのグニ~て引っ張られる感じ慣れないな。

取り敢えず売り場に行ってみると何か売っているようなので向かう・・・相変わらず視線が鬱陶しい。

あ、あった、『とよの稲荷寿司店』・・・売れるだろうな、彼女の稲荷寿司美味しいから、それにここは広いからお腹が空いた時に買う者も居るだろう、だが材料は何処から?できれば米を分けて欲しいものだが。


 「あ、星華!こっちにおいでよ」

・・・見つかった、どの道行くんだ仕方ない。

近づくと彼女・・・稲神豊いなかみとよは抱き着いてくる。

「死んだんじゃ無いかと心配してたよ~」

「あんたじゃないんだからあり得ないでしょ」

「相変わらず辛辣だね~で、なんの用?一緒に寝たいって?」

解ってた、解ってたんだ、彼女が私の同類である事は。

でも調子が狂う、いつも自分が言ってる事を素で言われると反応に困る。

「違うに決まってるでしょう、貴方と同盟を組みに来たの」

まあ答えは分かってるけどね。


 「断るよ」

じっくり考えた後にあっさりと言われる。

「その代わり貴女にダンジョンバトルを申し込むわ」

「そう来るよね」

まあ予想通り、重要なのはここからだ。

「それで、豊の望みは?」

豊はにっこりと笑うと耳元で囁く。

「・・・それは貴女よ」

こいつこれでも一応巫女だ、ちゃんと神社で暮らしてたし、祝詞のりとも完全に暗記している。

「具体的には?」

「負けたら私の奴隷になって」

そうなる事も予想がついてた、まあ問題ない。

「こっちの条件も言わせて」

「いいよ~」

「私が勝ったら貴女が私の奴隷になりなさい」

「良いよ良いよ~星華ちゃんと一緒なら奴隷でもいい」

こいつに好かれてるんだよな私。


 取り敢えず離れる。

「そんじゃあバトルは明日でいい?」

「別に何時でもいいよ~」

「なら私は準備に行くわ・・・所でこの稲荷寿司一つくれない?これと交換で」

砂金を少し渡そうとすると断られる。

「要らないよ、星華のダンジョンに人は何人居る?」

「三人だけど、戦力は私だけよ」

探りを入れるつもりだろうから少し間違った答えを教えておく。

「じゃあ三つあげるよ、頑張ろうね!」

「ありがとね」

笹の様な植物の葉に包んでくれる、古風だけどコストが良い。


 さっさと帰って二人と稲荷寿司を食べながら事情を説明する。

「今回も君たちは一応マスタールームに居てね、豊は弓の名手だからまともに戦える相手じゃない。」

第一弓の本体の持ち手以外の所に刃を仕込んで切り付けれるように改造した長弓を持ってるからね。

しかも射程は長いし正確だし絶対に神事以外の為に練習していたとしか思えない。

とまあそんな事はいい、私も似たようなものだ、私とてスポーツなどの為の剣じゃない、あくまでも殺すための剣だ。

DPが無いから殆ど準備は出来ない、けれど何も出来ない訳じゃない。


 メールシステムを起動して送る、相手は勿論空だ。

返信を確認して画像付きの通信を繋げる。

「空、届いてる?」

「おう、聞こえてるで」

「用意して欲しい物があるの」

「なんや?ワシに出来る物なら何でも用意するで」

「なら頼むわ」

用意は直ぐに出来るとの事なので明日のダンジョンバトルまでに送ってくれるように頼んだ。


 後は考察かな。

まず豊は稲荷神社の巫女だ、それもある程度の能力があるのは間違いない、彼女も私と同じアザトースに推薦されて入学した一人だから間違いない、そういえば空もか。

モンスターはそれぞれの個性によって召喚できるものが違う、彼女が使うとしたら・・・やはりあれだろう。

それの対策は問題ない、だが問題はやはりあれか。

アザトースが豊にどんな能力を与えてるかだ。

恐らく何らかの魔術が使えるのは確定、下手したら神としての資格である神格を貰ってるかもしれないのだから。

私に能力を与えるのをアザトースは渋っていたようだ、最も今のままで十分に強いかららしいけど。

その分豊は与えても良いと思われるぐらいに強く、私みたいに与えたらやばいと思われる事も無いだろうからね、何をされてもおかしくない。

私も一応四大属性を使える事は試してみて解っているけど威力はそれほどでもないから近距離で戦うことが強いられる、それに比べて豊は遠距離近距離ともに戦える、近距離においては私の方が圧倒的に上の筈だけど。


 結局戦う事は計算済み、私にとって戦いは勝利か死かじゃない、勝利かより良い勝利かだ、どれだけ被害を減らすかが重要だが、戦力の数が少ない以上基本被害は出ないだろう。

大体豊の危険な所は私と同じ女好きな所だけだろう。

だから戦闘は出来るだけ楽しむ・・・敗北などあり得ない。


 ・・・・・・翌日空から荷物が届き、それを服に仕込んでいく。

そうしながら私はそっと呟いた。

「お互いに自分を賭けた戦い、勝つのは私よ」

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