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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
3章 ダンジョンバトル
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13話 新たな階層

 ダンジョンバトルが終わり、一晩睡眠をとった後、今私はダンジョンメニューと格闘している。

ダンジョンコアを融合して新たな階層を創る為に組むプログラムの様な物があるのだがこれが悲惨なほどの不親切さと難解さでダンジョンバトルより私を苦しめてくれる。

・・・一応これでも簡単なアクションゲームを何度も作った事があるんだけどなぁ、大体説明書きがギリシャ語な事に悪意を感じる、ってか悪意しかない。

私は読めるから問題ないけど、他の奴らが出来るとは思えない。

それでも五時間ほどかけて設定を終え、ダンジョンを増築する。


 部屋が振動したと思うと・・・消えた、比喩でもなんでもなく消えた。

辺りには荷物が散乱している。

・・・今ある迷路の下に本来草原のようなフィールドタイプのマップを作成し、木を生やして森のようなマップにする・・・元々あった迷路を一階とすると森は地下一階になる、不自然だけどダンジョンだからありなんだろう。

ちなみに森マップの天井は常に月の様な物で照らされているし空も見えるが、実際は天井に映像が出ているだけの様だ・・・迷路を突破してきた侵入者はここで私自らが排除する、奇襲が使えるここで私に勝てる者は元の世界ではほぼ居ないだろう。

話を戻すとマスタールームと居住区は地下一階へと位置を移動した訳だ、マスタールームと居住区の中の全ての物をそのままの位置で。


 諦めてセイとエルに呼び掛けて一緒に荷物を運ぶ。

ベットが一番苦労した、重くは無いが、森の中を運ぶとなると厄介でしかなかった。

苦労して荷物を運び終わって休んでいるとアザトースがやってきた。

「や~ごめんごめん、色々設定が未完成のままだったからね、改善点が多かったね」

それは仕方ない、最初の事には失敗がつきものだ、だが。

「あんた、私たちが運搬終わるのを見計らって来たな」

「え、ああ、そう」

「あんたの設定不足なんだから手伝えよ」

「なんかごめん・・・私邪神なんだけどなぁ」

「それがどうした?」

「どうもしません」


 アザトースに対して意味はないけど主導権を握る、あいつも別に気にしてない、気にしてたら主導権なんて握れない。

「で、なんの用?」

「いや、修正しとくって報告だけ、でも言語だけは変える気無いからね~」

言いたいだけ言って消えたがいつもの事だから気にしない。


 さて、久しぶりに外に行こうか。

思い立ったが吉日、セイとエルは留守番させて一人でダンジョンの外に出る。

「侵入者が居ない訳だよなぁ」

広がる森を見て思わず呟く。

本当に森しかない、あと川と山、滝もあるけど要するに自然だ。

持って来た図鑑を見て、食べられる植物を採集する。

なんかゴブリンの群れと鉢合わせたけど武器に手をかけると逃げて行った、まあ賢い判断だ。

あとウサギを数羽狩ってしまうと突如聞こえて来た足音に反応して身を隠して様子をうかがう。


 「全くなんだよ、こんな森の中を捜索なんてさぁ」

「まあそういうな、一つの村が一夜にして死体の山に変わったんだ確認する必要があるだろう」

粗暴そうな男の愚痴に長身の男が切り返す。

「どうせ、誰かの怒りを買っただけだぜ?大体子供の舌を切って見せしめにして反抗出来ないようにしたり、口減らしの為に捨てたりしてたって証拠は挙がってんだ、自業自得って事で処理できるだろうが」

「既に申請は終わっている、二三日もすれば帰っても問題ないさ」

「だが確かに調べる理由はわかる、結構な規模の村を一晩で皆殺しにする奴が居るんだ、危険だってことだろう?」

訂正、どちらもそれなりに頭は切れるようだ。

「まあこれも陛下の為と思えば辛くはないさ」

「そうだな、俺たち平民でも取り立ててくれる器の広さは素晴らしいよな」

「あの方も平民出身だからな、女でありながら権力の腐敗が進んだ民主政治を打倒して帝国を築いたんだ、それも当然だろう」

・・・自由帝と言った所か、興味はあるな。

「誰だ!」

あ、やばい!

素早く逃げる。

「なんだ、ウサギか、見られている気がしたんだがな」

あぶない、いきなりナイフが飛んで来るとは思わなかった。

ウサギで防いだから少しは怪しまれないだろう。


 「それにしてもどう思う?」

「何がだ?」

「いや、あの村が何をやって居たにせよそれを壊滅させたんだ結構な実力者だろ」

「確かにな、殺し方の特徴から察するに三人ぐらいの様だからな、その中の一人は間違いなく化け物だ」

「ああ、だが、何故こんな所にそんな強者が居るんだ?どっかの国に抱え込まれててもおかしくは無いぐらいの実力の筈だぞ?」

「なるほど、お前の疑問はそこか、そうだな、ダンジョンマスターの可能性もあると陛下は言われたな、あの時は冗談だと思ったがあり得るかも知れんな」

「もしそうならお前はどうする?」

「陛下に協力してくれないか願う、あの村を滅ぼしたのが私欲ではなく、子供に対して村がやった事への私刑だとすれば、陛下に協力してくれる可能性もある」

「してくれなかったらどうする?」

その問いに男はフッと笑う。

「必死で命乞いするさ、多分だが絶対に勝てない、というより勝てる相手じゃない」

流石にこれ以上は危険と判断してダンジョンへと戻る。

・・・偶然か必然か男たちが向かっていたのは私のダンジョンだったからだ。

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