表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
10章 名の在処
136/291

131話 名の在処6

 ダンジョンの入り口付近に園田が居る、徹底的に雑魚を捨て駒にして情報を得る作戦の様だ。

 その作戦は間違っていない、初見で対応出来ないからこその初見殺しなのだ、ならばどうするか、簡単だ、初見で無ければ良い。

 低コストで能力の低い魔物を使い、罠を調べて、一つ一つ対策していく……それは初見殺しの対策としては、正解と言うほかないだろう。

「ダンジョンには入って来たが、動きがありません」

「多分、安全が確認されたエリアにしか、入らない積もりだろうね」

 私は、死霊術を使い、その部屋の付近に居た、スケルトンの残骸を再生してけしかける。

「そんなので勝てるの?」

「無理、それでも、実力の断片を確認するのに必要」

 そう言って、スケルトンの群れに対して、園田がどう動くか観察する。


 ……結果、数十秒で全滅した。

 園田が持って居た大太刀を振るい、いとも簡単に勝利して見せた。

 スケルトン共は、復活と同時に多少の強化をしていたが、無駄だったようだ。

 一撃で粉砕されては、再生もできない。

「あの太刀筋……通常の剣術ではありませんね」

 輝夜の言葉に、私は頷く。

「あの型、恐らく薙刀を基にしてるね……太刀自体も、ある程度それに合わせた作りになってそうだし」

 具体的に言うと、あの太刀は、持ち手の部分が通常より長い、見た目はそこまでの差は無いとは言え、薙刀を基に型を作るなら、十分な差ではある。

 それともう一つ、あの太刀……刃が非常に重厚だ、細身の対極を行くかのようなその刃は、通常の刀のように切り裂くのでは無く、重さで断ち切る様に作られている。

「あの太刀なら、そこらの魔物じゃ、相手にならないね」

 正直、ゴーレムですら怪しいレベルだ。


 「敵ダンジョンモンスター達が、第二階層に侵入してきました」

 輝夜の報告が入るが、正直問題無い。

 なぜなら、第二階層の森林ステージには、私の荊が生い茂っているからだ。

「……荊で出来たジャングルみたい」

 豊の感想は、なかなか良い線を行っている。

 因みに、これをするにあたって、元々この階層に居た、モンスター達には、避難して貰っている。

「星華さん、これでは、直ぐに突破されてしまいませんか?」

 その通りだ、私の魔術とはいえ、これだけの量を自由自在に操作する技術は無い、だから、かきわけて進めば、簡単に突破できるだろう。

 ……だがそれは、仕掛けが、荊だけだった時の話だ。

 この場所に仕掛けた物は、非常に単純な罠だ、だが、対策するのは難しい。

 ……雑魚がここを超える事は、そうそう出来ないだろう、それに超えた所で困りはしない。


 「敵が来ます」

 輝夜の報告の通り、リザードマン達が、荊をかきわけて、進みだす。

 そんな中、ある一匹のリザードマンの、右足首から下が、見えない刃に切り落とされる。

 そのリザードマンは、地面に倒れこみ……その途中で更に刻まれて絶命する。

 その周囲では、それと同じ現象が連続で起こっている。

 周囲からの攻撃に見えるが、実際は違う、これは只のブービートラップだ。

 さあ、果たして魔物にこれが超えれるかな……部屋中に張られた、この極細の()()()()()()()の刃を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ