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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
10章 名の在処
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129話 名の在処4

 ダンジョンに帰って来た私は、開始までの十分の間に最後の準備を行う。

「ねえ、星華ちゃん……私の能力って何?」

 作業中に横から豊が聞いて来る、普段は私の邪魔になる事はしないのだが、流石に気になるのだろう。

「……自分の職業言ってみて」

「一応巫女やってるけど……」

 あらかた準備を終えて、豊の方を向く。

「それを理解して居るなら話は早い、理由は知らないけど、豊は割と神に好かれているよね」

「まあ、神格の権利を貰う程度には……」

「それに豊は巫女だ、本来巫女は神の依代よりしろともいえる存在……言ってみれば、豊は神をこの世界に連れて来る事が出来る能力があるって事」

 正直、その才能は危険な物だ、殆どの神が、力に制限を掛けられているこの世界で、完全な神の力を行使できる存在を連れて来る事が出来るのだから。

「神を体に呼び込める……その間って、記憶無いよね?」

「どうだろ、神の性格次第かもね……最悪な性格だと、意識も思考も出来る状態で、ジェノサイドとかあり得るかも」

 例えそうなったとしても、ベースの体が豊である以上、止めれない事は無い、私の奴隷である以上、命令されれば、意志とは別に体が反応するからだ。


 「星華ちゃんは出来ないの?」

 言われて少し考える……微妙な所だ。

「出来ない事は無いと思う、波長の合う神が対象で、お互いの合意が無いと厳しいだろうけど」

 精神系への抵抗が無駄に高い私を、依代にするのは難しいだろう……そうなった時は凄まじい力を発揮できるだろうが。

「ああ、スペックが高すぎて、一部の人にしか使えない感じか」

「まあ、そんな感じかな」


 「あれ、星華ちゃん、罠の発動が全部手動だけど、大丈夫なの?」 

 ダンジョンの罠は全て自動発動だが、手動での発動に切り替える事も出来る……あれだけの数の罠を全て管理して、手動発動するのは常人には無理だろう、そう常人には。

「今回は心強い見方が居るからね」

 そう言って、部屋の隅に置いてあるベットを見る。

「輝夜、狸寝入りは分かってるから、さっさと起きて手伝って」

 体感時間をゆっくりに出来る輝夜ならば、状況を判断してトラップを発動させることが出来るはずだ。

「……わかった、後で甘い物欲しい?」

 まだ眠いのだろうが、今回は働いてもらう。

「後でケーキ焼いてあげるから、頼むよ」

「はい、何をすればいいですか?」

 ……普段の口調に戻った、私は寝起きの、素が出ている喋り方も、好きなんだけどな。

「トラップの発動権限を貸すから、園田と一緒に攻めて来る、モンスターの数を減らして」

「……本人は、狙わなくて良いのですか?」

「逆に聞くけど、狙ったとして、成功すると思う?」

「そうですね、理解しました」


 準備時間が終わる直前に、輝夜に声を掛ける。

「輝夜、私の体感時間も、ゆっくりに出来る?」

「出来ますよ……星華さんが受け容れてくれるのであれば」

 ……簡単には出来ないのも、魔法抵抗の弊害か。

「じゃあお願い、抵抗はしないから」

 輝夜の能力を受けて、周囲の時間の経過がゆっくりになる、それでも言葉などは、普通に認識できるので意思の疎通に不便は無い。


 「それじゃあ、ダンジョンバトル開始だよ~」

 アザトースのアナウンスにより、ダンジョン同士の入り口が繋がり、敵が雪崩れ込んできた、恐らく大量の魔物が居ると思ったのだろうが、待って居るのはトラップハウスだ。

 まずは手始めとして、左右の壁に取り付けた()()()()()()()、上から落ちて来る()()()()、地面から生える()()()()()()()()を発動させた、

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