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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
10章 名の在処
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128話 名の在処3

 準備が終わり、それの確認を終えた次の日、ダンジョンバトル開始の為に、アザトースによって呼び出された。

「園田先生、お久しぶりです」

「そうだな」

身長180近い筋骨隆々の大男、それだけでは到底言い表せない、強さをオーラとして纏っている、私の目の前に居る男こそが、学校の体育教師、園田剛だ。

……明らかに強くなっている、神格の力を手に入れてなお、鍛錬を続けて居るのだろう。

「ああ、敬語など必要ない、儂が対等な相手として勝負を挑んだのだからな」

言葉に甘えて、普段の態度を表に出す。

「そうか、言っておくけど、そう簡単に勝てると思わない方が良い」

「当然だ、簡単に勝てる相手を配下にしたところで、使えぬ駒が増えるだけだろう」

「……つまり私は使えると判断されたのか」

「お前が強いのはよく知っている……儂も一度、煮え湯を飲まされたからな」

一度、殺されかけた子熊を守った時の事かな?

「案外、根に持つんだな」

「いや、そんな事はない……ただの事実だ」


 「え~、そろそろ良いかな?」

蚊帳の外だったアザトースの割り込みに頷く。

「それじゃあ、ルールの確認だけど、何かある?」

アザトースの言葉に、頷いて答える。

「今回は防衛戦を提案したい……防衛側は私で」

「儂は構わんが、良いのか?」

通常防衛戦では、防衛側の方が有利だが、ダンジョンマスターが互いに規格外の場合、互いに攻め合う形式の方が、楽に終わるだろう……ダンジョンマスター同士の戦闘になりにくいから。

「最後は直接対決して決めたいからね……それまでに脱落するのだけは、止めて欲しいけど」

私のダンジョンは初見殺し満載である。


 「お互いが了承したって事で、それじゃあ、賭ける物を決めてね、バトルを仕掛けられた、星華から決めてね」

……さて、こちらから出す条件は決めて居る。

「私に負けた場合、一度だけ、私が求めた時に、お前自身を含めた全ての戦力を貸して貰う」

「……それだけでいいのか」

「それだけでいい」

私の計画にある()()()は、とても苛烈な戦いになる筈だ……一回だけの協力でも、十分なくらいの。


 「アザトース、私の条件はそれだけだ」

「分かった、それじゃあ、園田、言って」

園田の言葉を聞く。

「儂の求める物は、星華が儂の軍門に下る事、それと……()()()()()()を渡してもらう」

……ほう、いい度胸だ。

殺意を全開にして、園田を見る……これで臆する事がないのは流石だ。

「なあアンタ、どうやら最悪な目に遭わされたいようだな」

「奴隷として使う訳では無い」

「それは分かって居る……ただ、お前が考えている事をして無事で居れる程、豊の体は強くない……今はだが」

絶対に豊を渡すわけにはいかない。


 「お互いの望みは分かった、それじゃあ、十分後にダンジョンバトルを始めるよ」

「豊は絶対に渡さない」

「あれは必要な素質を持って居る」

それ以上の会話が続く事は無く、アザトースの転移魔法によって、それぞれのダンジョンへと戻された。

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