表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
10章 名の在処
132/291

127話 名の在処2

 「あ~メンドクサイ」

帰ってくるなり、ベットに飛び込んでぼやく私に、豊が声を掛ける。

「……どうしたの?」

「園田にダンジョンバトル挑まれた」

「それは……勝てるの?」

「勝てる」

即答だ、勝てない筈は無い……が、厄介であることには変わりない。

「それも神格が桃太郎らしい」

それを聞いた豊は首を傾げる。

「ええと、それって……」

「鬼ヶ島に行った……英雄?」

あれって分類は何なんだろうか、一応人間だろうか。


 「あ、でも星華ちゃんって……」

「そう言う事、桃太郎だから()に対しては強い力を発揮する」

そして私はまさしく鬼だ。

「本当に大丈夫なの?」

「まあ、問題ないでしょ、少し前までなら危なかっただろうけど、今は邪神の断片を取り込んでるから」

桃太郎は()に勝つ……ならば鬼以外に勝てるかと言われたら、それは実力次第だろう。

暴食の力で、大量のエネルギーを使えるのだから、私に勝つのは至難の業だろう。

 「それに今回は防衛で勝つ」

「どゆこと?」

「今回の戦いで私は攻めないで、敵の戦力をダンジョンで迎え撃つ」

攻める力が無くなれば、アザトースが決めたルールにより、敗北が確定するのだ。

「と言う訳で、ダンジョンを改装する」


 そうと決めた私は、ダンジョンコアにアクセスして、強化をしていく。

第一階層の洞窟型迷路には、大量の針付き落とし穴に加え、上や左右の天井や壁から槍が突き出す罠、直線通路の突き当りから毒矢が発射される罠など、殺意の高い罠を仕込んでいく。

「……トラップハウス」

「そうだね、これは消費DPが安い割に威力がある罠だから、沢山設置する事で、乱戦時に役立つ……気を付ければ対処は楽だからね」

 次は、威力があって対処も難しい罠を仕込んでいく……具体的には、火炎放射する壁や、電撃を行う床などで、それに合わせて、エタノールや電解液を振りまく、スプリンクラーの様な自作の魔道具を設置する。

「これ、一階だけで殲滅できるんじゃ……」

「二階目以降も色々いじるけど、此処で出来るだけ数を減らした上に、突破する奴の体力も削っておきたい」

「そっか、確かに一番最初で、ある程度ふるいにかければ、その後の対処が楽になると」

「そう言う事、因みに戦力は大量のスケルトンと、魔道具を使う騒霊(ポルターガイスト)の予定」

因みにポルターガイストには実体が無い為、見る事も触れる事も出来ない……ペンキをぶちまけても無駄だ。

「魔道具って、その程度の低級霊に使えるの?」

「魔石を燃料に使う奴を使わせる……流石に本人の魔力を使う奴を使ったら、ポルターガイストぐらい一瞬で消滅する」


 ……色々準備を終えたが、これを初見で攻略しろと言われたら、私だって文句言いたいぐらいのダンジョンになって居た。

桃太郎……うん、桃太郎はどう考えても、これを攻略するような能力を有した神格じゃない。

第一、これを突破した直後に、私が待ち受けるのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ