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星の煌めきしダンジョンで  作者: 酒吞童児
8章 罪は私を緋色に染めて
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番外編 happy new…year?

 「……んで、数日前にも呼んどいてまた呼び出すって今度は何?」

今度は招待状も無く、いきなり転送された。

「いや、今日大晦日なんだけど」

「知ってる、けど日付変わったばかりだよね」

「はい、その通りです」

「普通は夜に呼ぶものじゃないの?」

「今は夜だよ~」

まあ確かに夜だ、感覚的には大晦日前日のだが。

「まあ、呼んだからには、なんかあるんでしょ?」

「あっちで椀子蕎麦大会がもう直ぐ始まるけど……」

「ルールは?」

「二時間で一番多く食べた人が勝ち」

……二時間も蕎麦を啜り続けるって、もはや拷問ではないか。

「ちょっと、どこ行くの!」

だが、引き止めるアザトースは無視して会場に向かう。

こうなったら赤字になるまで食ってやる。


 開催場所は校庭の端に席と机をずらっと並べた場所で、開始ぎりぎりに席に着く、他の参加者を気にする必要は別に無い。

開始の合図で蕎麦を口に運ぶ……急ぐ必要もあんまりない、二時間食べ続けれる奴が他に居るとは思えない。

……数分経過、まだ【暴食】を発動する必要は無い。

……十五分経過、まだまだ問題ない。

……四十五分経過、そろそろ飽きて来た。

……一時間経過、【暴食】を発動、しかし飽きている。

……一時間十分経過、別行動していた豊に連絡して、ネギと摩り下ろした生姜を持って来て貰った。

……一時間半経過、薬味を入れると随分ましになった。

……二時間経過、やっと終わった。

「結果発表~!優勝は……見れば分かるね」

少なくとも数百は食べたと思う、恐ろしい事に空だった【暴食】のストックがこれで満タンになった。

……少なくとも暫くは蕎麦を見たくない……年越し蕎麦は温かい奴ならまだ大丈夫かな。


 その後アザトースにトロフィーを貰った……使い道が無い。

食べた数が記してあったが、思って居た以上に食べていたようだ。

「いや、食べすぎでしょ、試合中に取り寄せてたから大赤字だよ」

「私を呼んどいて、大食い対決なんてやるからでしょうが」

「ま、良いけど、それより豊はどうしたの?薬味を持ってきた後から、姿が見えないけど」

「疲れたから、帰って寝るって」

「応援は……まあ必要ないよね~」

「そんじゃあ私も帰るわ」

そういってさっさと帰る。

ダンジョンに戻って、既に寝ている豊を確認して、ふと思い出す。

……まだ大晦日始まったばかりじゃん、このまま起きて「明けましておめでとう」って言いそうだった。

「……寝るか」

ベットの真ん中で寝ている豊を少しだけ奥に転がして、布団に潜り込み、横からの温もりにゆっくりと微睡まどろんでいく。


 ……絶対にまた直ぐに呼び出されるんだろうな…………もう諦めよう。

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