第8話「紺碧のGuam島へ」
何年かぶりにGuamを訪れるマサ、飛行機に乗るのも海外旅行も初めての菜穂美。二人の甘〜いハネムーンの始まりです。
第8話
「紺碧のGuam島へ」
搭乗開始のアナウンスが流れ、
搭乗客がゲートへと流れ、列を
作り始める。
国際線では、ファーストクラス
→ビジネスクラス→エコノミー
クラスの順番で搭乗が始まる。
ファーストクラスに乗る俺達は、
最初にゲートを潜る。
ファーストクラスのシートは、
2×2で至極ゆったりとしていて
座り心地も頗る快適である。
席に着くと、すぐに飲み物の
サービスがある。
菜穂美は子供のようにはしゃぐ。
「(♀)これがファーストクラス
かぁ」
俺もファーストクラスは、初めて
である。
全員の搭乗が確認され、扉が閉じ
ロックされる。
フライトアテンダントが親指を
立て、ドアロック完了のサインを
交わす。
そして、離陸前の儀式「非常用
設備の案内」である。
そうこうしているうちに機は滑走
路の端へと進む。
エンジンの音が高くなりいよいよ
離陸である。
定刻より5分遅れているようだ。
(まあ、5分位関係ないっしょ)
更にエンジンの音が高まり滑走を
開始する。
離陸時のGが体を襲う。
「(♀)ひゃあ、シートに押し
つけられる〜」
俺たちの乗ったボーイング757
は紺碧の空の上、水平飛行に
移った。
禁煙のサインが消え、ベルト
着用のサインが消えると機内は
寛いだ雰囲気になった。
Guam島までおよそ3時間。
時差は、+1時間である。
「あんまし、酒飲みなや。
早う酔っぱらうし、トイレが
近うなるからな」
「(♀)うん、わかった。
せやけど、何で酔っぱらうんが
早いん?」
「気圧の関係らしいで」
「(♀)ふ〜ん、そうなんやぁ」
離陸してから1時間ほどでお食事
である。
エコノミークラスでは肉か魚か
訊かれるがファーストクラスでは
訊かれない。
そう、両方が出てくるからだ。
その上、お酒もワンランク上の
ものが出てくる。
俺たちは、シャンパン(スパーク
リングワインではない)を貰う。
お世辞にもアメリカ牛の肉は、
美味しいとは言い難いが、さすが
にファーストクラスのものは
美味しかった。
そう言えば焼き加減も訊かれたよ
なぁ。
途中、気流の乱れもなく順調に
フライトは続く。
ふと横を見ると菜穂美はうとうと
している。
ははは、昨日は遠足の前の子供の
ようにはしゃいでいたなぁ。
俺も、うとうとしていたようだ。
知らないうちに膝には毛布が掛け
られていた。
そろそろ着陸です、と起こされて
窓の外を見た。
菜穂美も目を覚まし、窓に顔を
つける。
「(♀)わぁ〜・・・」
言葉が続かない。
眼下にリーフと海のコントラスト
が輝く。
そうか、菜穂美は海外旅行は、
初めてやったな。
機首が徐々に下がっていく。
しばらくすると鈍いショックが
あり、着陸した。
まず、ファーストクラスの乗客が
降ろされる。
昔と違い、B−757へはボー
ディングブリッジがつけられ
直接到着口へと渡ることができ
る。
入国審査を経て、荷物を受け取り
税関へ。
特に申告するものがなければ出口
へと向かう。
懐かしのGuam島へ到着である。
※この小説は、『フィクション』
です。
実在の場所を使用していますが
登場人物、団体は、全て架空の
ものです。
頼光 雅