第22話「Gun Shooting Sports Club (後編)」
第22話
「Gun Shooting Sports Club
(後編)」
俺は、次に Smith & Wesson M629
を手に取った。
これは、回転式で44マグナムを
装填する。
弾を6発込めて再び銃身を天に
向ける。
M629は、ダブルアクションなので
撃鉄を起こす必要はない。
回転式であるが引き金を引けば
撃つことができる。
脇を絞り銃身を目の高さへ。
こいつは、銃身が長いので気を
抜くと銃口が下がっていく。
また、マグナム弾を撃つ時は
グリップをしっかり握り手首を
柔らかくしていないと発射の
衝撃で銃を飛ばしてしまうことが
ある。
逆に肩に変に力が入ると肩を
痛めてしまうこともある。
日本人にはDirty Harryのように
片手打ちなどできない。
肩を脱臼するのがオチである。
※体格、筋肉トレーニング次第
では、可能です。
息を吸い込み、止める。
引き金を引く。
「ドン!!」
Glock32 よりも強い衝撃が手首に
くると同時に銃身が大きく跳ね
上がる。
これは、連射をすると危険だ。
1発ずつ間をおいて撃っていく。
さすがに44マグナム弾だと着弾
が大きくぶれる。
菜穂美も6発撃ち終え、次の弾を
込めている。
マイケルは、後ろで見ているだけ
である。
横のレンジでは、ジミーが金色の
Beretta Brigadier を連射して
いる。
さすがに退役軍人だ。
伸びた腕は、微動だにしない。
この銃は、グリップが大きいので
しっかり握れば安定感は絶大な
イタリアの名銃である。
Smith & Wesson M629を置き、
Colt Government Commander を
手に取る。
黒光りする45口径の名銃だ。
俺は、この銃が好きだ。
なぜ?
と、言われても答えに困るので
あるが。(^_^;)
「(♀)うちも、そんなやつ
撃ってみたいなぁ」
菜穂美がオートマチックの銃に
興味を示す。
「マイケル?
菜穂美がこない言うとるけど
Glock32 撃たしてもエエか?」
「O.K.
ほな、わいの出番やな。
菜穂美さ〜ん、今度はさっきの
と違て手首に衝撃がかなり
きま〜す。
気合い入れていきまっしょい」
俺は、全弾装填した
Colt Government Commanderを
構える。
「ドォン!」
マグナム弾とはまた違った轟音が
響く。
焼けた薬莢が飛んでいく。
「ドォン!」
「ドォン!」
「ドォン!」
三連射する。
心地よい衝撃が手に加わる。
隣では、菜穂美がGlock32に装弾
している。
弾倉を込める。
「さ〜て、菜穂美さ〜ん。
今度のはさっきと違って薬莢が
横から自動で排出されま〜す。
気をつけてくださ〜い。
弾倉入れましたね?
O.K.
人差し指は引き金から離しま
しょう。
そうそう。
片手で銃口を上に向けて〜
遊底を下にスライドさせて〜
O.K.
Don't worry.
左手をし〜っかりとグリップ
してぇ。
後はさっきと同じ。
息を吸ってぇ止めて〜
Fire !」
「ドン」
「(♀)きゃあ!」
銃口が大きく跳ね上がる。
「O.K.
大丈夫、大丈夫。
心配な〜い。
はい。
も一度構えて〜
おぉっと、肩に力入り過ぎ〜
リラ〜ックス、リラ〜ックス。
はい。
も一度構えて息を吸って〜
止めて〜
Fire !」
「ドン」
今度はうまく撃てたようだ。
「菜穂美さ〜んは、初心者やから
連射は禁止ですよ〜。
O.K. ?」
「(♀)オッケ〜」
「菜穂美さ〜ん。
あなた、筋がイイですねぇ。
ハマちゃ〜んより上手です」
菜穂美には、マイケルの声は
もう聞こえていないようである。
俺達は、手に腕に受けるオート
マチックの衝撃を楽しんでいた。
「O.K.
ちょいと休憩しましょう」
しばらくして、マイケルが皆の
肩を叩いてまわる。
「皆さ〜ん、中で冷たいものでも
どうぞ〜」
「久しぶり、ちゅうか何ちゅうか。
たまらんのぉ、この衝撃は」
俺は、心地よい余韻に浸りながら
コーラを呷った。
「(♀)だ〜りん。
うちもハマりそうやわぁ」
「ハマちゃ〜ん。
菜穂美さ〜ん、あんたより
筋イイね〜。
はっはっは」
「(♀)へへ。
うちも大したもんやん。
だ〜りん。
次、勝負しよか?」
「やめとき。
10年早いで」
「(♀)やっぱり?
ほなやめとこ。
これって、意外と汗かくもんや
ねぇ。
今、気ぃついたけど汗がすごい
わぁ」
「そやろぉ?
アドレナリンが全開になるから
なぁ」
「ハマちゃ〜ん。
M-16にしますか?」
「いや、今日はやめとくわ。
ほな、もう一通り撃ったら
帰ろか」
「(♀)うん、わかった〜」
俺たちは、再び外のレンジに
向かった。
※この小説は、『フィクション』
です。
実在の場所を使用していますが
登場人物、団体は、全て架空の
ものです。
☆この小説の著者は「わたし」
です。
著作権は「わたし」にあり
ます。
頼光 雅




