第16話「Sweet more sweet “Honey Moon” party」
第16話
「Sweet more sweet
“Honey Moon” party」
「Congratulations on marriage
ハマちゃ〜ん&菜穂美さ〜ん」
チャペルの周りは、いつの間にか
人でいっぱいになっていた。
非番の志水の叔父の会社の人達、
Gun Shooting Sports Clubの
面々。
みんな、俺たちに祝福の言葉を
かけてくれる。
「Hey , Everybody !
Let's toss Hama-chan
shoulder-high into the air」
「ワッショイ、ワッショイ。
おめでとう〜、ハマちゃ〜ん」
マイケルの呼びかけで、俺は
グァムの青空に舞った。
「(♀)えいっ!」
菜穂美がブライダルブーケを
青空高く投げる。
「それでは、新郎、新婦は、お車
の方へどうぞ」
俺と菜穂美。
志水叔父と和美さん。
ジミーとエリー、
マイケルとリンダが
リムジンに乗り込む。
運転はKenである。
「Many Thanks for us.
We promise that we find
happiness. Thank you. 」
見送ってくれる方達に、俺は
叫んだ。
「お二人ともお疲れ様でした。
それでは、ホテルに戻って
披露宴と参りましょう。
Hey, Ken. Let's go 」
「Yes , sir !」
志水の叔父の言葉で俺たちの
乗ったリムジンは天使の教会を
後にした。
「(♀)なんや、うち夢見てる
ようやわぁ」
「菜穂美。
おまえ、最高に別嬪やったで。
ますます惚れ直したでぇ」
「(♀)いや〜ん。だ〜りんも
最高に男前やったぁ。
ありがと。 Chu ! 」
俺の頬にキスマークが・・・。
それを見て皆が一斉に頭を
下げた。
「ごちそうさまでした!」
大爆笑である。
「これで、お二人は名実ともに
ご夫婦やぁ。
あの誓いの言葉忘れたらあきま
へんで」
志水の叔父の言葉は重みがある。
「そう。
でも男言うのはね、ほったら
かしといたらどこ行きよるか
わからへんのよ。
最初が肝心やからね。
しょうむないことしよったら
遠慮のぉ電撃食らわしたん
ねんよ」
「(♀)はい。
わかりました、和美姐さん
(笑)」
うわっ、早くも和美さんから
人生訓かいな。
慌てて、首筋を押さえる男達
だった。
「なんや、マイケルも喰らった
ことあるんかいな?」
「そやねん。
うちの奥さんも和美さん直伝
やねん。
とほほ・・・」
リンダが言った。
「何がとほほよ〜?
帰ったらお仕置きですからね。
覚悟なさ〜い」
どうやら、和美さんは島の嫁達を
傘下におさめているようである。
ホテルに戻って驚いた。
エントランスには、南国の花を
模したバージンロードが敷かれて
いた。
そして、その両脇に支配人以下
ホテルスタッフが勢揃いして
いた。
「支配人の Roy Edwars でござい
ます。
この度は、誠におめでとう
ございます。
ささやかではございますが
ホテルよりお祝いをさせて
いただきます」
レセプションのお嬢さん達から
大きな花束が贈られた。
ホテルの人達の祝福を受け俺達は
メインダイニング「ビストロ」へ
と向かった。
「(♀)ほんま、むっちゃ
びっくりしたわぁ。
ホテルの玄関からバージン
ロードになってると思てへん
かった」
「ほんまやなぁ。
せやけど、これも地元の名士
志水の叔父のおかげやで。
志水の叔父貴、ほんまに
ありがとうございました」
「何言うてますのん。
Roy がどないしても何かさして
くれ言うてきよったからです
わぁ」
「せやけど、人相変わって穏やか
な顔してたけど、あの人もしか
して?」
マイケルがうなずく。
「Ding ! dong !
そうよ〜。
あのRoyやんか」
くぅぅ。
月日の流れは皆を変えていくのん
やなぁ。
タキシードとウェディングドレス
姿の俺たちがビストロに入って
いくと店内にいた人達から
「Congratulations
on marriage !」
と、一斉に声が上がった。
どうやら、志水の叔父の関係の
人達のようである。
俺たちが席に着くと先ほどの
Royが近寄ってきた。
「浜田様。
ホテルよりお祝いのお酒で
ございます」
「ありがとうございます。
でも、あのタバコとバドは
勘弁して下さいや。
ははは。」
「Ten-Four.
覚えておられましたか?
その節は大変失礼致しました」
軽く片目をつむって我々だけに
通じる挨拶を送ってよこした。
「いやいや。
本日は最大のおもてなし感謝
します」
俺たちは固い握手を交わすので
あった。
志水の叔父が立ち上がった。
ボディーガードを従えて一人の
紳士が近づいてくる。
「浜田さん、志水さん。
この度は誠におめでとうございます。
準州知事のカマチです」
「これは、Mr.カマチ。
本日はご臨席賜りまして感謝
します」
ほんまに、志水の叔父は顔が
広いというか何と言うか。
先ほどのカマチ準州知事の乾杯の
音頭でパーティーが始まった。
※この小説は、『フィクション』
です。
実在の場所を使用していますが
登場人物、団体は、全て架空の
ものです。
☆この小説の著者は「わたし」
です。
著作権は「わたし」にあり
ます。
頼光 雅