第15話「天使の教会にて」
第15話
「天使の教会にて」
「ああ、腹一杯になったら眠とぉ
なってきたぞぉ。」
「(♀)どこぞで、誰かが永遠の
眠りにつきたがってるみたいや
ねぇ?
あっちの世界に行きたいのは誰
かなぁ?
Honey Flash ! 」
「バシッ!」
「・・・つぅ」
「(♀)だ〜りん、どない?
お目々醒めたぁ?」
「はい。
あっちの世界から、ただ今戻り
ました。
ホンマに、よぉ〜言わんわぁ。
今度は、キューティーハニー
かいな」
またまた大爆笑である。
「さて、菜穂美さん。
そろそろ美容室の方へ。
エリー、菜穂美さんをお連れし
てくれるか?」
「はい。
それでは、菜穂美さん参りま
しょうか?」
「(♀)よろしく、お願いしま
す。
ほな、だ〜りん。
エエ子にしてんねんで」
「カ〜ちゃん、行かんといて
くれぇぇぇ」
「(♀)ホンマに、何言い出すん
この人は。
エエ子やからね Chu !」
「Chu !
わかった。
行っておいで。
エリーさん、よろしゅう頼ん
ます」
エリーに連れられて菜穂美が
美容室に向かった。
「ほな、わいも散髪行こかのぉ。
なんぼネービーカットや言うて
キレイにしとった方がエエ
やろ?」
「そうですね。
わたし達もお付き合いしま
しょう」
俺たち男組は散髪に行くことに
なった。
後ろにKenが続く。
青く透き通った空、燦々と降り
注ぐ太陽の光を浴びて、よく通る
声が響き渡る。
「Bridegroom.
Do you take bride to be
your wife,
to have and to hold
from this day forward,
for better or for worse,
for richer, for poorer,
in sickness and in health,
to love and to cherish,
and promise to be faithful
to you until death parts
you ? 」
「新郎よ。
あなたは妻となる新婦を、
良い時も悪い時も、
富める時も貧しき時も、
病める時も健やかなる時も、
死がふたりを分かつまで、
愛し慈しみ貞節を守ることを
誓いますか?」
「Yes , I do. 」
「Bride , and you ?」
「Yes , I do. 」
「はい、誓います」
「新婦、あなたは?」
「はい、誓います」
純白のウエディングドレスの
菜穂美と頷き合い、誓いのキス。
(^3^)
KENがデジタルビデオで俺達を
写していく。
チャペルの鐘が鳴り響き、
チャモロ・シンガーズの歌声が
響く。
志水叔父と和美さん、
ジミーとエリー、
マイケルとリンダ。
それぞれの視線が俺たちに注が
れる。
二人きりで式をと言ってはみた
ものの、親しいものの祝福を
受けて結婚式を挙げるのは、
やはり嬉しいものである。
菜穂美の頬に一筋の涙が光る。
「菜穂美、生涯おまえのこと
離さへんぞ。
愛してる」
「うちも、生涯あんたのとこ
離れへん。
愛してる」
「Congratulations !
on marriage,
Masa ! and Naomi ! 」
ライスシャワーが注がれる。
俺たちの結婚式の様子は、
FOMAを通じて義兄の元へ伝えられ
ている。
義兄のバリトンが聞こえてきた。
「マサ、菜穂美。
結婚おめでとう。
二人でシアワセを・・・」
義兄が涙ぐむ。
俺も菜穂美も言葉が出て
こない。
「ありがとうございました」
二人で必死になって声を出す。
しかし、涙で声にならなかった。
※この小説は、『フィクション』
です。
実在の場所を使用していますが
登場人物、団体は、全て架空の
ものです。
☆この小説の著者は「わたし」
です。
著作権は「わたし」にあり
ます。
頼光 雅