第12話「再会。そして、友の誓い」
第12話
「再会
〜そして、友の誓い」
荷物は、後で受け取りに来ると
言うことでブレスレットだけ
もらってPlanet Hollywoodへ
入っていった。
席に着いた俺の後ろにさり気なく
KENが立つ。
「(♀)調子のって買い物したら
のど渇いてしもた」
「アルコールにされますか?
それとも、ソフトドリンク
に?」
ジミーがたずねる。
「ほんま、シャネルになると性格
変わるのぉ(笑)」
「(♀)ナニワ乙女はシャネルに
命かけなあかん言う法律があん
ねん。
だ〜りん、知らんかった?」
「んなもん、知るかいな」
「(♀)あかんなぁ。
それモグリやでぇ」
「お話し中ですが、お飲み物は
どうされますか?」
ジミーが再度、たずねてくる。
「(♀)取り敢えず、生中!」
「いきなりかいっ!」
ジミーも苦笑いである。
「(♀)ここは、南国やしぃ、
枝豆とビール〜」
「をいをい。
枝豆はないやろぉ、なんぼ
なんでも。
ジミー、なんぞ旨そうなもん
見繕ってくれっか?
19時からディナーやから
あんまし腹に来んやつで」
「かしこまりました。
皆さん、バドでよろしいです
か?」
「あ、あかん。
バドはあかん。
クァーズにしてんか」
「(♀)何でなん?
何か嫌な思い出でもあんの?」
「後で、こそっと教えたる」
マイケルのホームパーティーで
バドを噴水のように吹き出した
ことが、ふと頭を過ぎった。
「ジミー。
Gun Shooting Sports Club て
知ってる?」
「はい。
友人もたくさんおります。
そこが何か?」
「Michael Soulて言う人、今でも
おるんかなぁ?」
「はぁ、わたしの大親友です。
彼をご存知で?」
「ああ。
随分前にGuamに来た時に世話に
なったことあんねん」
「ほほぉ。
これはこれは。
ちょっと、電話してみましょう
か?
Hey, Ken !
Handy phone !」
「Yes sir !」
Kenがジミーに携帯を渡す。
「Hi ! Michael.
I'm Jimmy.
wait a minute.
どうぞ、本人が出てます」
携帯を渡される。
「Hello, Michael.
Do you remember me ?」
「Um ? .... Sorry.
Who are you ?」
「Ah...
Are you YAMASHIRO-GUMI ?」
「YAMASHIRO-GUMI ?
Ah ! ハマちゃ〜ん?」
「覚えとってくれた?」
「イェ〜ス。
もちろんだよ〜。
すんごい久しぶりだねぇ〜」
「長いこと、会うてへんなぁ」
「そうだねぇ〜。
あ゛!
もしかして、ハマちゃんも
いよいよテッポーダマか?」
「近いもんが、あるで。(笑)
今、Planet Hollywoodにおるん
や」
「O.K. O.K.
10分で行くよ」
マイケルが来ることになった。
ジミーが教えてくれた。
「彼は、今あのクラブの支配人
ですね」
「ほぉ〜、出世したもんやなぁ」
10分も経たずに保安官のような
格好をした恰幅のよい黒人が駆け
込んで来た。
「Oh !
ハマちゃ〜ん。
元気やったかねぇ?」
再会を喜び抱擁する。
「マイケル。
何か、肥えたんとちゃうか?」
「肥えたんとちゃうか?
当たり前でんがな何年経つと
思てんねん?」
俺が教えた関西弁も健在である。
「紹介するわぁ。
わいのWife、菜穂美やぁ」
「(♀)初めまして。
浜田菜穂美です。」
「ほぇ?
ほんまかいな、そうかいな。
あんたにもったいないくらい
別嬪さんやんかぁ〜。
Nice meet you !
菜穂美さ〜ん」
「明日な、13時から天使の教会
で式挙げるんや」
「そうなんかいなぁ。
それは、Congratulations !
わいも行ってエエか?」
「来てくれるんか?
そら、うれしいわぁ」
「O.K.
わいのWifeも連れて行くわな」
ふと、マイケルがテーブルの上を
見て言った。
「ハマちゃ〜ん、何飲んでんの?
なんや、クアーズかいな。
バドやったら、また噴水しよる
とこやなぁ。
ワハハハハ」
あかん、バレてしもた。
菜穂美が笑いをかみ殺すのに
必死になっている。
「ほな、わいもクアーズや」
「をいをい、マイケル〜。
おまえさん、車とちゃうんかい
な?」
「No Problem !
I'm a safety Driver...」
再び、テーブルは爆笑の渦に
包まれたのであった。
「さて、ほなら再会を祝して
『乾杯〜 Cheers !』。
ハマちゃ〜ん噴水は無しやで」
「10-4(Ten-Four)(笑)
『乾杯〜 Cheers !』」
「(♀)噴水事件のこと教え
て〜な」
マイケルが話し始めた。
「ハマちゃ〜んとねぇ、仲良く
なってねぇ。
マイホームに招いたのよ。
まぁ、近所の友達もた〜くさん
呼んでね。
ハマちゃんが初めてやけど
うま〜い言うてヤシガニの
ローストを食ってたのね。
そこに、Roy って言う悪い友達
がいて、ハマちゃ〜んを騙して
グラス吸わせたのよ〜。
ハマちゃ〜ん、今でも煙草
吸う?
O.K. O.K.
そしたらねぇ、ハマちゃ〜ん
飲んでたビールみ〜んな吹き
出してしまった。
そう、噴水のようにね」
「げぇ〜。
あのタバコ、やっぱりそう
やったんか。
今の今まで飲み過ぎやと思てた
でぇ。かぁぁぁぁ」
「と、言う純真な東洋人が騙され
たと言うお話しでした」
「そやっ。
みんな、ちょ〜待っといてん
か。
Ken ! Come with me」
「Yes sir ! 」
「(♀)なんやぁ?
どこ行くのん?」
「ええ子やから、ちょっとだけ
待っといて。
すぐ帰ってくるから」
俺は、Zippoのショップがあった
ことを思い出した。
Kenを連れてその店に入って
いった。
今度はいらんこと言わんと
「Ah , Can you speak
Japanese ?」
「はい、もちろん」
「この店で3つしかないと言う
極上のZippo 見してんか?」
「3つと、おっしゃいますと?」
「ああ、俺とGood friend2人と
3つ。
そろいのやつがほしいんや」
「なるほど。
3つと言うのは、なかなか
ありません。
4つでしたらお客様の言われる
ようなものがごさいますが?」
「おお。
ほな、それ見してんか」
「ご予算的には?」
「なんぼでもかまへん」
「かしこまりました。
それでしたら極上のものを
ご用意致します」
待つこと数分。
「こちらなどは、いかがでしょう
か?
チタニウムの頑丈なボディに
『白虎、青龍、朱雀、玄武』
が、それぞれあしらわれて
おります。
おそらくグァム中お探しに
なられても同じものはないと
思います。
紛い物の多いと言われるZippo
ですが間違いなくZippoの
ハンドメイドでございます」
「よっしゃ。
ほな、これ4つおくれ。
白虎、朱雀、玄武の3つを
それぞれ、ギフトにしてんか」
「ありがとうございます。
少々お待ち下さい」
俺は、4つの小さなパッケージを
持って席へ戻って行った。
「すまん、すまん。
ご無礼しました」
俺は、買って来たものをテーブル
の上にに置いた。
「マイケルとは、再会を祝して。
ジミーとKenには、これから
も、よろしゅうと言うことで
受け取ってんか」
「な〜に、くれんのかなぁ?
ハマちゃ〜ん」
「わたしなどが、いただいても
よろしいのですか?」
「マイケルのは『白虎』
ジミーのは『朱雀』
俺は、『青龍』。
ほんでKenは『玄武』や。
これを4つ合わせたら『四神』
や」
「おぉ、ハマちゃ〜ん。
Good Friendの誓いやね?」
「そう言うこっちゃ」
「ありがたく、頂戴します。
Hey ! Ken」
「Thank you sir !」
「こいで、わいらはGood Friend
や。
はに〜、俺になんぞあっても
みんなが助けてくれるからな」
「(♀)兄弟の契りちゅうわけ
やね?」
「いや。
みんなEvenの大事な友や」
「ハマちゃ〜ん、大事にするよ。
おおきにね」
「大切にさせていただきます」
「それでは、ハマちゃ〜ん。
わいは仕事に戻るとするねぇ。
明日は、ワイフを連れて行く
からよろしくね〜。
うちのクラブにもおいでや。
ほな、菜穂美さ〜ん。
明日、別嬪さんなとこ見して
もらいに行きますね〜」
マイケルが仕事に戻っていった。
「(♀)だ〜りん、色んな所に
知り合いがいるんやねぇ。
びっくりやわぁ」
「そないなことあれへんて。
それよりジミーとマイケルが
知り合いやった言う方が驚きや
でぇ」
「(♀)だ〜りん。
もうちょい、お買い物しても
エエかなぁ?」
「なんや、まだ買い物すんの
かいな」
「(♀)ビーチドレスもほしい
しぃ、さっきちらっと可愛い
水着もあったしぃ〜。
やっぱり、だ〜りんとおそろい
の服とかもほしいしぃ〜」
「そやな、俺もアロハシャツ
くらいほしいなぁ。
ほな、行こか」
「(♀)うん。
うちが、だ〜りんのシャツ
選んであげる」
結局、なんやかんやと一杯買い物
してしまった。
俺も前からほしかったロレックス
ディトナ・ブラックコンビを
買った。
こりゃあ、日本に帰る前から税金
の計算しとかんとやばいかなぁ。
俺逹は、ホテルに戻ることに
した。
※この小説は、『フィクション』
です。
実在の場所を使用していますが
登場人物、団体は、全て架空の
ものです。
☆この小説の著者は「わたし」
です。
著作権は「わたし」にあり
ます。
頼光 雅