やっと始まる学園生活
あ、ちょっとあまあまになりました…^^;
「…ここが、学園…?」
目の前の建物は学園というより城に近かった。
青と白で全体が構成されており、キノコのようにいくつも縦に細い建物が立ち、それを凹凸の壁が囲っている。
そう、絵にかいたような皆が即思い浮かべるであろう姿の城だ。
「ぼさっとしてないで入るよー? 早くしないと入学式始まるぞ?」
「…え、もうそんな時間ですか!?」
早朝に二人、元気に少年少女が学園へと入っていったのだった。
「前から出席番号順に席につけー」
担任の先生、カルフ・アグニヤー先生に連れてこられたのは教室。
白い内装だが金に縁取られた椅子と机があったり、照明がシャンデリアだったりとおしゃれ。
昔のオンボロ校舎とはおさらばだなぁと思いながら前から3番目に席についた。
回りを見渡すも、アスファの姿は見つからない。他のクラスになっちゃったか、クラスメイトが近所にいたら便利そうなのに。
すると、隣の席の男子がこっちをジーッと見ているのに気が付いた。
「あ、はじめまして、リオ・メスィです」
にっこりと頑張って微笑んでみると彼は紫色の猫目を笑ったように細めた。
「カルン・ケータ。よろしく、隣人さん」
カルンは金色の髪をしており、その髪が猫耳のような形に一部上がっている。
少しサイズが大きいブレザーで手元が少し隠れていて女子っぽい。私より女子力あるだろう。
「ところでカルンさんは」
何故そんな猫耳な髪型してるんですか、と聞こうとしたのだが
「カルって呼んで。あと敬語いらにゃい」
と、遮られた。
…今この子いら“にゃ”いって言った?
…
「…頭撫でていいかな」
「どーぞどーぞ」
…萌えの塊が隣人になりました。
ふわふわとする。
巻いてはないんだけど緩くカーブがかかった髪。
「…はうっ…」
猫耳に手が当たる度に自分の口からなんとも言えぬ声が出る。めちゃくちゃ気持ち良い。
もうちょっと髪って絡むもんじゃないの? サラサラとしてて手に髪があまり留まらない。
カルはさっきから目を瞑ってされるがままになっている。
時々にゃう、とかうにゃん、とか鳴いている…
癒しの一時を楽しんでいると教室のドアが開いた。
気付いていなかったが今日は教室に入って何かするということではなかったらしい。
そしてドアを開けて入ってきた人はこれでもかってぐらい目を見開いた。
「…リオ、大胆な事してるな」
入ってきたのはアスファだったようで、目を見開いたままそう言った。
…なんの事、って言おうとした瞬間気付いた。
カルは私の膝の上に座って胸に顔を埋めるような体勢になっており、私がカルの頭を抱いて撫でくり回していた。
よく見ればカルは寝ている。おい。
手を離せば、うにゃうと一鳴きしてうるうるした目を向けてくる。なんか…もっとして、って言われてる気分になるので再び撫でる。
「…えーっと、仲良しなところ申し訳ないけど友人を紹介する…」
カルの頭を撫でながらアスファが一瞥を向けた方を見ると、
困った顔で立っている美女が居たのだった。
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