楽しい楽しい学園生活(予定)
「イルー!!鞄どこ!?」
「おい、昨晩自室に持っていっただろ!?」
「あ、そうだった!!ちょっと連れてって!!」
「え、しゃーねーな」
慌ただしく二人が駆け回る。
今日は待ちに待った学園の入学式。なんだが。
…朝寝坊をしたのだ。
しかし第一印象は大切、イルに弁当を詰めてもらったり確認をしてもらったりしている間、私は髪をいじっていた。
そしてその結果がこれ。非常に慌てている。
「よし、これでOK!」
イルに全身を確認してもらって家の外へ飛び出した。
と。
横の家からもガチャっとドアを開ける音がした。
…ぴょんぴょん跳ねた銀色の髪に薄紅色の瞳。健康的にやけた肌。
上品でない髪型なのに美形だ、羨ましい。
すると、彼がこっちに気付いた。
一礼をするとたたたっとこっちに駆け寄ってくる。
「その制服、学園の服だよね!!」
「あ、はい...あなたもですか?」
よく見ると彼も同じような服を着ている。
イルに制服と言って渡された服。
ブレザーが紺でリボンタイとスカートがピンクと黒のチェックで、所々に黒いレースがあしらわれている。
彼の制服はブレザーは紺、タイとズボンが空色と黒のチェック。男子の場合はいろんな所にチェーンがある。
なるほど、ぱっと見対して同じに見えないがブレザーの校章が同じだ。
「そう、俺も学園生徒、アスファ・リーフ!宜しくな!」
「リオ・メスィです、こちらこそ宜しくお願いします… あの、学園への行き方が分からないので一緒に行ってくださいませんか…?]
名前はイルがこっち風に、と考えてくれたものだ。なんかそれっぽい。そして学園への行き方がわからなかったから隣人が同じ生徒とは頼もしい。
「そか、一緒に行くか! というか道を知らないなんてリオって案外どんぐさいんだな」
…アスファの第一印象、失礼な人に決定。
アスファの横に並んで道を進む。
まわりには店がたくさんあり、オシャレな店から怪しい店までよりどりみどりだ。
キョロキョロと見渡しているとアスファがのぞき込んできた。
「そんなに珍しい?リオって箱入り娘なのか?」
…いや、この世界にまだ数日しか住んでないだけですって言う訳にも行かず、まぁ…と言葉を濁した。
イル曰くあまり異世界人は黒髪黒目だという事は広まっていないらしく、一般は気付かないらしい。そして異世界人だとバレると質問攻めに遭うのであまり好んで話すな、と言われた。
アスファと他愛もない話をしている間に目の前に大きな建物が見えた。
「ここが学園。アルマディアで唯一魔学が未成年者でも学べる所。」
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8/6 20:04 アルファじゃなくてアスファでした、すいません…