家について全然知らない。
ちょこっといつもより長いです、すいません。。。
朝起きていつものようにんーっと伸びをした。
辺りを見渡すと鳥々しい部屋。昨日自室としてイルが用意してくれた部屋だ。
そういや私魔法の学園にかよえるんだったなぁ… 思わずうふふ、っと怪しい笑いが出る。
防虫剤のCMの歌を鼻唄で歌いながらドアノブに手をかけたのだが…
ドアを開けて気づいた… 目の前には奥が見えないほど長い廊下。まっしろで壁に鳥のシルエットが所々描かれているが、それよりも…!!
「…イル!どこぉ…」
上機嫌は何処へやら、半泣きで家の主の名前を叫んだ。
すると目の前にふわりと赤髪をなびかせてイルがあらわれた。
「どどどどうした!??」
と、半べそかいている私にひどく動揺したようにうろうろしだす。
その様子が面白く、可愛いので少し笑ってしまった。
「…ごめん、私この家の自室しか知らなかったから出た瞬間どうすればいいか不安になっちゃって…」
「…そか、ごめんな」
イルがそう言うと同時に包むように優しく抱きしめられた。
抱き合うポーズで優しく背中をさすられる。
その動作にかなり安心して眠ってしまったのだった。
「…ふふんふふん~♪」
イルの腕の中で眠ったおかげか体が軽い。
イル曰く入学は一週間後だそうだ。心が弾ませながら用意をする。
中学校生活は友人もいなくてずっと一人だったため、今回は頑張ろうと思える。いやー、今まで自分頑張った。
しかも用意が終わったら家を案内してくれるんだそうだ。鼻唄を上機嫌で歌いながら“持っていくものリスト”に目を通していく。
筆記用具、ファイル、ノート、魔法書、時計…
魔法書とかすごくファンタジーでそれっぽい!
筆記用具などは部屋の勉強机にあるだろうとがさごそと探し、用意する。
そして学校指定の黒い、前のポケットの部分に魔方陣らしきものがプリントされている鞄にどんどん詰める。
すぐいっぱいになってしまい、どうやれば上手く入るのか考えるのでさえ楽しい。
我ながら感情の起伏が激しいなと思うのだった。
用意が終わり、ついに家を散策できる!
ホテルやモデルハウスに行ったときには必ず散策をする、これは一種の趣味だ。
「イル?」
誰もいない空間に呼び掛けるとまた音もなくイルが現れる。やっぱりこれも魔法なのかな…
「用意、終わったのか?」
「うん」
「じゃあ行くか!」
イルの家なのに本人も何故か楽しそうで、嬉しくなったのであった。
ふぅ、とため息をついて椅子に腰を落ち着ける。
足首が痛い。予想外に家がおおきかったのだ。
ドアが並ぶ廊下…その一室に私の部屋がある…は実は空中に浮かんでおり、魔法で移動するらしいのだ。
因みに、リオの部屋を魔法を使わないと地上に行けない部屋にしたのは逃がさないため、という理由があったのに本人は気付いていない。
家は凄く分かりやすい作りになっていた。
正方形を井の漢字のような仕切りで区切った感じで、
中下は玄関で左下は倉庫、右下は客間。
中央は居間でその右がキッチン、左が風呂場。
中上はイルの自室で左上が書庫、右上がイルの寝室。
非常に分かりやすい。
はぁ、と痛めた足首を回していると予想外に日が落ちているのに気が付いた。
丁度先ほど風呂の使い方も教えて貰っていたので風呂も使え、さっぱりしたあとイルに自室に送ってもらい、眠りについたのだった。
誤字、脱字ありましたらご報告ください!
急いで直します!
あと、感想も頂けたら嬉しいです^^