リオ・メスィの変わらない日常
食パンのスクランブルエッグのせ、好きです。w
鳥だらけの部屋でんーっといつものように伸びをする。これはもう癖になってるようだ。
ドレッサーの前で黒髪を人差し指、中指を器用に使って三つ編みに結わえ、制服に着替えた。
目を閉じて1階のリビングをイメージする。
じつはこの世界の魔法は杖も箒も要らない。イメージするだけで使えちゃうのだ。
なので目を開ければリビングのイメージした所に立ってる。
「おはよう、朝飯そこな」
食パンを寝転がりながら食べているイルが机の上を指差した。確かに美味しそうなスクランブルエッグと食パンがある。
マーガリンの香りがする芳ばしいパンにふわふわのスクランブルエッグをのせながら今日の授業に思いを馳せていた。
この前勝手に現れたオパール、オニキス、ラピスラズリは精霊の一部らしく、魔力が減ってくると色が霞み、黒色か白色に変わるらしい。
これで魔力の量が分かるとかなんとか。
なので、精霊の一部は常に身に付けておく必要がある。ってことで精霊の一部をアクセサリーにしちゃおうぜ☆っていうのが今日の授業なのだ。
アクセサリーも人によって違うらしく、過去に鼻輪アクセサリーになって泣いた人もいるそう。それは泣くね、うん。
食パンをスクランブルエッグと一緒に頬張る。
鼻から抜ける芳ばしい香りと卵の風味が美味しい。一気にぺろっと食べた。
それからさっさと身支度を整えて元気よく家を出たのだった。
「おはよう」
家の前にいつものように氷の王女さまとその従者が立っていた。ふたりとも変わらず目鼻立ちが整っている。くそぅ。
無属性魔法は使えるので私たち、魔法で一瞬で学校に行けるのだがセイヤとアスファと話せるのは登校の時だけなので、いまでもこうやって3人で歩いて学校に行っている。
ふわっと笑って手を差し出しているセイヤの手を取った。毎朝手を繋いでいるのでもう恥ずかしさはないのだがやっぱりなんか…頬が緩んでしまう。
…3人で他愛もない話をしていると、蜂が飛んでおり、セイヤの足元に目がいった。
それで今さら気づいたのだ。
「…セイヤ、何で男子の制服着てるの?」
アスファの方を向いていたセイヤは何故かアスファの口を勢い良く塞いでからにこっと淡く微笑んだ。
「足に大きな切り裂き傷あるから隠してる」
…足に切り裂き傷、かぁ。暗い過去がありそう。
「そっか、ごめん…ありがとう」
アスファが物言いたげな瞳で見つめているが、気にしないでおこう。
そうして学園にたどり着いたのだった。
あと数話で章にはいる…かな?