不良少女に罰当たり
これぞ王道、異世界魔法学園ものです!
文才無いですがお付き合いくださいませ。
……これはきっと私に天罰が下ったんだと思う。
…なんで。
異世界転生してるのさぁぁぁぁあああああ!?
んーっといつものように伸びをしてベットから降りた。
白を基調とした清潔な部屋に朝日が差し込んでいる。
「里桜ちゃん、ご飯ですよー?」
「はーい!!」
胸元までの黒髪を急いでみつあみでひとつに結わえ、元気良く階段を下った。
私、瑪穂里桜は漫画家のアシスタントをやっている。
幸い手先は器用で、柊さん……つまり私の雇い主の漫画家さん、は私を雇ってくれた。
実を言うと私はまだ中学生で絶賛不登校中なのだ。ということで大学生だと偽ってアシスタントをやっている。ごめんね柊さん。
柊さんと他の3人のアシスタントさんはもう食事の席についていた。
「お寝坊さんですね、遅いですよ…」
「ごめんなさい☆」
ぺろっと舌を出して謝ると柊さんは肩をすくめた。
「まったく… ほら、朝ごはん食べますよ」
柊さんは少女漫画家で売れっ子だ。
なので給料もそれなりだし、なによりこうやってアシスタントを家に住まわしてくれるのだ。これはすごくありがたい。
勉強できない、故に成績も悪い、友達少ない、秀でたところもない、故に人気無い。
こんな不登校になる要素しか持っていなかった私は、引きこもりになった。
部屋で恋愛小説と少女漫画を読み漁る日々。
そんな中で見つけたのが柊さんの漫画、「私はきっと幸せになれる」だ。
嫌われ主人公が努力をしてみんなに好かれていく、という話だった。
その主人公が私に似ていてひどく気に入り、やがて読むだけでなく制作もしたい、と思いだしたのがきっかけ。両親が世界一周旅行で1年不在なのを良いことに、置き手紙を残して柊さんの元へと旅だったのだった。
ふふふ、あのころの自分とはおさらばだ…
とほくそ笑みながらパンを食べていると柊さんが冷たい一瞥を寄越してきたが気にしない。
「…そうそう、今日は午前中休みですよ」
柊さんが食べ終わった食器を片付けながら告げた。休みか、なにしよう。
したいことを思い浮かべて妄想。買い物に行って乙女ゲームのキーホルダー買おうかな…
なんて考えてるとアシスタントの一人に話しかけられた。
「今日はみんなで公園に行きたいんだけど… どうかな?」
顎を引いて上目使いで頼まれてしまったのでOKをするとありがとう、といってにっこり笑った。可愛い。
…しっかし、公園でなにするんだろね。
「…私知ってるんだよね、あんたが中学生ってこと。 目障り。あんたにはトイレがお似合いよねぇ… そこで一日過ごしたら中学生ってことも言わないし優しく振る舞ってあげるから私たちにあんたがいない幸せな時間を頂戴ね?」
嫌な予感はあったんだよね、公園でする事ってないし。
けどまさかアシスタント3人に公園のトイレに突っ込まれるとは思わなかった。
ここは近所の公園のトイレ。辺りはうっすらと黄色くなっており、鏡も白く曇っている。
ご丁寧なことに公園のトイレの入り口のドアにはしっかりと施錠がされてあり、どんだけドンドンとしても開かない。
まいったなー、午後の仕事に出れないうえ、掃除していないせいか泣きそうになるぐらいアンモニア臭がする。
とにかく何かないかなと掃除用具入れをあけた。実は現在I don't have my bagなのである。
…掃除用具入れを開けたがもう一度閉めた。
今のは幻覚。うん、気のせいだ。
もういちど開けるもそこは変わらず、ただの闇。
え、暗すぎて中身見えないの?それとも中身なんもないの?
掃除用具入れなようだし後者はないな、と闇に手を伸ばしたが。
腕を引っ張られたのだ、闇の向こうのなにかに。
誤字、脱字ありましたらご報告ください。
あと、感想もいただけたら嬉しいです!