01 涙
童話を自己解釈して書いたものです。
未熟故、色々と矛盾点等でてきているとは思いますが、第一の目標として完結目指していきますので、どうぞお付き合いお願いいたします。
尚、モチーフ作品の都合上、死ネタ等の残酷描写含みます。
かなり軽度に抑えてはいますが、ご注意ください。
涙がつぅと頬を滑り落ちて目が覚めた。
どうして泣いているかなんて分からないけれど、伝い落ちる雫は確かに涙だった。
「……泣くな」
ごしごしと、貴方が少し乱暴な手つきで私の頬をこすった。
ぱちぱちと瞬きをするたびにこぼれ落ちる涙は、どうしてか止まらないの。
じくじくと痛む胸に止まらない涙。
拭ってくださる貴方の手の温度に、涙は勝手に流れてしまう。
「だから、泣くなって言っているだろうが」
私だって、泣きたいと思って泣いているわけじゃないの。
それでも悲しくて、悲しくて。胸が痛んで、涙なんか止まってくれないの。
新たな雫が溢れて、零れ落ちる。
「ったく……」
面倒くさそうに大きくため息を吐いた貴方。
それから、ぎゅっと、私をその大きな胸の中に抱き締めてくれた。
暖かな腕に抱かれて、涙で濡れた顔を肩に押しつけさせて。
落ち着けると思えるほどに暖かな体温に、慣れてしまった貴方の胸の中。
背中を、肩を、私を抱き締めてくれる貴方はどうしてこんなにも優しくしてくれるの?
「いい加減泣き止め。俺はお前の泣き顔拝みに来てたわけじゃないんだからな」
そう言いながら、宥めるように私の頭を撫でてくれる。
ドキドキするのも忘れて、私は貴方の胸にしがみついた。
貴方が消えてしまわないように。
この優しい腕が夢ではないように。
もう何も失いたくなんてなかった。
「とっとと泣き止め。それで、俺のためだけに笑え」
まばたきをした瞳から、また新たに涙が零れた。
「なぁ、ラプンツェル」
序話 【紫色の娘】