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魔法不適合者の成り上がり譚~魔法が当たり前の世界で、魔法が使えない俺は成り上がる~  作者: にじ
第0章 持たざる者と持つ者の再開

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第3話 幼馴染との別れ

ゴオオオオオ!!!バキッ!バキバキッ!!


黒煙の中を必死に呼びかけながら走る。


「お父さん!!お母さん!!」

「お父さん!!お母さん!!」


やがて僕のお父さんのいた畑が見えてきた。


「えっ……。」

僕には理解できなかった。

だって、大好きなお父さんが胴体と下半身が切れて焼けた状態でそこにいたのだから。


僕はすぐにバケツを持ち、水をかける。消火には成功したが、当然ながらお父さんに何度呼び掛けても、何度揺さぶっても返事は帰ってこない。


「お父さん……。」

僕は泣くのを我慢してお母さんを探すのを優先する。


リエラも自分の親を探しに行った。


今朝僕の事を見送ってくれたお母さんのいた家は既に炭と化していた。建物は倒壊し、あるのは木材の燃えた跡だけ。


「お母さんんん!!!!!!」


大きな声で呼びかけても、返答はない。

家だったものを見ていると、かすかに光るものが見えた。


僕は自分に水をかぶり、一気に進む。


「あづい”……!!」


でも、一縷の希望をかけて、光るものを取る。


「指輪……お母さんのだ……。」


お母さんに関しては遺体すら見ることのできないまま、燃えて消えてしまっていた。


僕はお母さんの指輪を回収し、もう一度水の入ったバケツをかぶる。


じゅううううう。


湯気が立つ。

全身が痛い。皮膚はただれ、火傷を負っていた。でもそんなことは気にならなかった。


今日僕は天涯孤独の身となったのだ。最愛の家族を失った。


僕は、その場に力なく座り込んだ。

「う”わ”あ”あ”あ”あ”あ”ん”ん”ん”ん”」

目から涙が止まらない。地面を何度も強くたたく。拳が壊れているのにも気づかず、僕は気持ちの行き場を求め地面を殴る。


自分の中にしまい込めないほどの絶望、喪失感だった。


遠くから泣き声が聞こえてくる。

おそらくリエラの泣き声だろう。


しばらくしていると、涙が出なくなった。自分の中で何かが壊れた気がした。

「はっ…ははっ……。もうダメだよ……お父さん、お母さん、僕も今そっちに行くね……。またみんなで仲良く暮らそうね……。」


僕は落ちているとがった廃材に向けて一気に体を倒した。


僕の体は思っていた方向とは違う方向に倒れた。

ドサッ。

地面に倒れる音がした。


「何してるのよ!!」


リエラに問いかけられる。


リエラは普段大人しい性格で、めったに声を荒げたことは無かったため、びっくりしてして固まってしまう。


「今、死のうとしてたでしょ!」


「……。」

返す言葉がなかった。


「私だって、つらいよ……。でもエルが死んだら私は本当に孤独になっちゃう……。だから死なないで……!!」

リエラに懇願され、僕の中にも生きるという選択肢が芽生える。


僕はまだ天涯孤独ではなかった。味方がいた、リエラという味方が。


「ごめん……ごめ”ん”。」

二人で抱きしめあいながら泣いた。


しばらくして落ち着くと、今度は冷静に考え始めた。

「どうやって生き延びようか……?」


「まずは、この村をでて他の街まで行くのが良いと思う……。また、あのモンスターみたいに強いモンスターに襲われた時に私達じゃ対処できないから……。」


「そうだね。村を出る前に、お父さんとお母さんのお墓を立ててあげたいんだけどいいかな……?」

「うん、私も立ててあげたいし……。」


僕とリエラはお互いの両親のお墓を立てて、食料を集めた。


「悲しいけど、行くしかないもんね……。」

「うん……。」


僕は自分の両親のお墓の前で手を合わせる。

どうか、僕とリエラの事を守ってください……。


僕とリエラは出発した。


出発して森の中の道を歩いている時に、前方から魔法師団がやってきた。


「そこの者!止まれ!」


「はいっ……。」


「マンド村という村はこの先か?」


「はい……この先ですが、村は燃えました。生き残りはもう僕たちしかいません……。」


「ほう……。嘘……ではあるまいな?」

杖を向けられる。相手は魔法師団、国の最強戦力格だ。一瞬で殺される。


「嘘じゃありません!本当なんです!」


「ふむ。そうか。ちなみにリエラという女の子を探しているんだが、その子ではないか?」


僕の額に汗が流れる。

リエラが答える。

「私が……リエラですけど……。」

僕はリエラの手をぎゅっと握った。最悪は横に飛び、全速力で森の中を逃げるしかない。


「そうか……よかった。そなたたち、我々が保護しよう。街へと行くぞ。」


「「え……?」」


僕たちは魔法師団に保護され、地方都市である『ライヒェンバッハ』へと到着した。魔法師団のおかげで超高速で着いたのだった。


「では、お前はここで待ってくれ。リエラ嬢はこちらに。」


「えっ……。」

僕はリエラに不安なまなざしを向ける。リエラは大丈夫と親指を上げて答えてくれた。


しかし僕は知らなかった。今後リエラが帰ってくることは無く、僕は天涯孤独になる事を。


_____________________________________


いつも本小説をご愛読いただきまして誠にありがとうございます!本小説は物語開始を第1章からを予定しております。現在はすこし暗めのお話が進みますが、今後は(第1章スタート後は)学園ものになる予定ですので、ずっと暗めのお話ではありません。ご安心ください。

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