【超超短編小説】煮沸消罪
掲載日:2025/12/21
換気扇がキリキリと音を立てて回っている。
そろそろ油を差さないと、なんて考えながら煙草をの煙が吸い込まれていくのを見ていた。
いい加減に換気扇のフィルターだって交換しなきゃならない。
これが済んだらにしよう。
ぐつぐつと音を立てる巨大な寸胴の中にうずくまる君を見る。
ぐらぐらと煮立っているお湯は黒く汚れていて、つまり君が綺麗になっていっているのがわかる。
君は、とても汚れていたんだね。
浣腸をしたって、ハイターをしたって君は綺麗にならなかった。
胎内巡りも坐禅も君を綺麗にしなかった。
でもこれで君は綺麗になった。
沸騰したお湯に溶けていく君の汚れや穢れ、罪だとかが見える。
君が綺麗になったら、換気扇のフィルターを交換しよう。君は喜んでくれるかな。わたしはとても嬉しいの。
だからもう二度と、二人で入ってるお風呂のお湯で煙草を消したりしないでね。




