第七十三章:リザードマンの巣でモップは舞う!~伝説の掃除棒 vs ヌルヌル鱗軍団~
その日、山田のもとに届いたのは一通の依頼状だった。
【依頼内容】
地域:トカゲ尾根《リザードマンの巣窟ダンジョン》
状況:大量のリザードマンによる排泄物と脱皮片で床が滑りまくり、探索者が7人骨折。危険区域と認定。清掃求む。
緊急度:★★★★★(転ぶと死ぬ)
山田︰「脱皮とウン……って、清掃員的に一番やばいやつじゃん!?モップが詰まるやつじゃん!?」
ナナ婆︰「ほれ、これを持って行きな。特製《すべり止め粉・極上》。あと、リザードマンには“上目遣い”が効くらしいよ」
山田︰「何その謎知識!?っていうか“極上”って何味!?」
【現地:リザードマンの巣窟ダンジョン】
湿気ムンムン、天井からは滴る水、足元には――
山田︰「ぬ、ぬるぬるぅうう!?足元がもはやスケートリンクゥ!!」
バシャァッ!!
華麗に滑って宙を舞う山田。モップを杖に強引に着地!
山田︰「いっっってぇ……!くそ、これは滑りすぎだろ……!」
その瞬間、背後から“ヌチャッ”という音。
???︰「シャァァァァ……キレイ……キライ……キレイ……?」
現れたのは、ボロ布を腰に巻いた中型リザードマン。その手には、腐りかけの雑巾。
山田︰「え? 君も清掃員なの!? え、ライバル!?」
リザードマン︰「ボク、清掃……でも、ぜんぶ、ムリ……床、ヌルヌル、心もヌルヌル……」
山田︰「メンタルまでヌルヌル!?君、もしかして……清掃うつ入ってる!?」
【リザード・クリーン戦隊、登場】
そこへ現れる、色とりどりのスカーフを巻いた4体のリザードマン。
青︰「滑りの青!ブルーゲル!」
赤︰「泡立ちの赤!レッドソープ!」
黄︰「乾きの黄!ドライサン!」
黒︰「漂白の黒!ブリーチノワール!」
山田︰「なにこの戦隊!?統一感ゼロの汚掃レンジャー!?なんで全員濡れてんの!?」
リーダー・レッドソープ︰「人間よ……この巣を……“マットレスのような快適空間”に変えてくれないか……」
山田︰「ハードル高ぇなおい!!マットレスってどういうこと!?」
【山田の怒涛の掃除開始】
山田︰「やるしかねぇ!!クラリネットX、いくぞ!!」
クラリネットXを構え、スキル発動!
山田︰「《掃除する者に祝福あれ》ッ!!床よ、浄化せよォォォ!!」
白銀の光が床を滑り、ぬるぬるゾーンがみるみるうちにピカピカに!
青︰「キラーン……!眩しい……青が負けた……」
赤︰「泡が……泡が逃げてゆく……」
黒︰「いや待て、ここまで清潔にされると、我らの存在意義が……ッ」
黄︰「この床、寝れる……」
【騒動の結末】
ぬるぬる地獄が一掃され、巣窟のリザードマンたちは歓喜の涙を流す(目から塩水が吹き出すという特殊仕様)。
レッドソープ︰「人間……山田……貴様こそ、真の“スベらない男”……!」
山田︰「いや違う意味で滑ってる気がする!!ていうかお前ら、もうちょっと掃除しとけよ!!」
ナナ婆(通信魔法)︰「お疲れ、山田。リザード族から“尻尾光る認定”もらったよ。清掃ランク、F→F+になったよ」
山田︰「Fプラスって何の変化!?昇格しないのかよ!!」




