第七十一章:ドワーフの鉱山ダンジョン!〜モップが効かぬ土埃地獄!?〜
今日の任務は、かつて栄えた鉱山型ダンジョン。
《岩髭坑道》
数百年前にドワーフ族が掘削・居住していたという地下都市遺構だが、現在は放置され、無数のモンスターと“鉱山型埃”に覆われているという。
シェリス︰「ここは“岩粉”が酷すぎて、通常の掃除道具はすべて無力よ」
山田︰「じゃあなんで僕なんですか!?モップしかないんですけど!?」
アーク︰「この任務をこなせば、君も“清掃ランクF+”へ昇格できるかもしれない。もっとも……その前に肺がやられるかもしれないが」
山田︰「やめてぇぇぇぇええ!」
【第一層:粉塵だまりの坑道口】
坑道の入口からして、もはや濃霧のような土煙。足元が見えないほど舞い上がっており、何かが“ガフッガフッ”と呻いている。
バルド︰「こりゃあ酷ぇな……フルマスク装備してこなかったのが悔やまれるぜ!」
山田︰「僕、紙マスクしか持ってないんですけど!?なんか目もしみるし!これ鉱山っていうより毒霧ダンジョンでしょ!?」
※クラリネットX(魔導モップ)が反応。
クラリネットX︰「……俺が本気を出す時が来たようだな。ブースト掃除モード、解放!」
※柄の部分がカチャッと変形、モップが高速回転し始める。
山田︰「回ってるぅぅぅ!? ってこれ掃除というか、もはや戦闘兵器じゃない!?…ってかまた、喋ってるゥゥゥウウ!!」
回転するクラリネットXから風圧が発生し、坑道の粉塵を吹き飛ばしていく!
が――吹き飛んだ先の土煙から、なぜか“ドワーフゾンビ”が5体、モコッと起き上がった。
ドワーフゾンビA︰「……うるさいんじゃコラアアア!!」
山田︰「掃除したら怒られた!?このダンジョン、清掃を拒絶してくるの!?やばい思想持ってる!!」
【第二層:ドワーフの風呂場跡】
何故かダンジョン中央に存在する“天然温泉”。
シェリスによれば、かつてドワーフたちは採掘の合間にこの温泉で汗を流し、宴を開いていたらしい。
バルド︰「ほう……この岩組み、なかなか見事な構造じゃねぇか。……オイ、入ってくるぞ!」
※バルド、突然全裸になり、ズカズカ入浴開始。
山田︰「いや、ダンジョンで風呂入るなよ!?いや、でも気持ちよさそう!いやでも仕事中!」
バルド︰「お前も入れ!ダンジョンで風呂入らねぇ奴に現場の何が分かる!」
山田︰「現場と風呂関係ないってば!?」
そこへ現れたドワーフゾンビ長老(ヒゲ5メートル級)。
ドワーフ長老︰「誰じゃワシらの聖湯に無許可で入ったのはァァァ!!」
バルド︰「てめぇこそ、何千年も風呂占領してたんじゃねぇのかよォ!!」
※バルドと長老、桶と洗面器でバトル開始。
※山田、なぜか洗面器をモップ代わりにして参戦。
山田︰「僕の職業、なんなんだろうこれ……!」
【第三層:岩髭の鍛冶工房】
ドワーフたちがかつて武具を製造していた工房跡。
現在はゴミと油煙でごった返し、滑る床、転がる鉄くずの山。
シェリス︰「この床……“黒油鉄油”で滑ってるわね。これは……法的に非常に問題よ!重大瑕疵よ!」
アーク︰「違う意味で燃えるダンジョンだな。清掃と法務の両方が泣いているぞ」
山田︰「滑る床に鉄くずの罠!?こんなダンジョン、設計した奴呼んでこいよ!!」
その時、床に埋まっていた巨大な鉄板が“ガコン!”と開き、謎のドワーフ機械兵(見た目:ロボじいさん)が登場。
ドワーフ機械兵︰「エンジン始動!清掃者ニ自動補助開始スル!」
山田︰「えっ、味方!?いや、どこから出てきたのこの人!?」
クラリネットX︰「やつは伝説の《自走式清掃支援機》!」
ロボじい︰「オマエ、掃除足リナイ!ヤリ直シ!」
山田︰「はぁあああああ!?評価辛すぎない!?」
ダンジョンは無事(?)清掃完了。
粉塵は舞い上がったが、山田の頑張りでどうにか浄化され、バルドは風呂でドワーフ長老と意気投合。
ロボじいは山田に無言で“再清掃推奨状”を渡し、姿を消した。
シェリス︰「帰ったら、“地下温泉の再登記申請”と“ゾンビに対する居住権審査”をやらなきゃ……」
アーク︰「…この国の行政は、時に地獄より深いな」
山田︰「うん、僕…そろそろ“モップ勇者”とか名乗ってもいい気がしてきた…」




