第六十四章:スライム湯屋と最後の風呂掃除!〜浸かるな!そこは温泉じゃない〜
ダンジョン探索を終え、疲労困憊の三人。
その先に見えたのは、やけに立派な暖簾のかかった建物。
山田︰「あれ……なんか、旅館っぽくないですか?」
アーク︰「“魔境の第八層”に、風呂? まさかとは思いますが……」
バルド︰「温泉じゃねぇか!よーし、お前ら、今日はひとっ風呂だァッ!!」
半ば強引に連れ込まれる山田とアーク。中には立派な石造りの浴槽、木製の桶、そして――
山田︰「うわっ!なんか湯の中、トロっとしてる!?」
???︰「ようこそ……スライム湯屋《とろけ湯の間》へ……♡」
湯船の中から現れたのは、人型に擬態したスライム娘(温泉管理個体)。
見た目は艶やかでも、成分は超濃厚モンスター性粘液!
アーク︰「これはまずい。これ、完全に“捕食風呂”です。入ったら終わります」
山田︰「いやいや、そんな見た目普通の温泉みたいなのに!?っていうか親方!?」
バルド︰「んがあぁ〜〜!腰に効くぜぇ〜〜ッ!!」
山田︰「フルダイブしてるーーッ!!」
スライム湯の中で気持ちよさそうに“溶けかけてる”バルド。
どうやら職人魂すら癒やされてしまったようだ。
スライム娘︰「お客様は“清掃済みの者”が好み……?では、こちらへ♡」
山田︰「って、なんかこっち来たーーー!?ヤバいヤバいヤバい!!」
とっさにモップを構え、《掃除する者に祝福あれ》を発動!
湯気が晴れ、スライム娘の体表がキュルキュルと乾燥していく!
スライム娘︰「きゃあっ!?……や、やめて……乾燥肌になるぅ……!」
山田︰「……これって、“掃除”で撃退できちゃうの!?スライム湯まで!?」
アーク︰「まさか“温泉清掃”が有効とは。あなたのモップ、汎用性が高すぎますね」
バルド︰「……ふはっ!今の俺は、完全に癒されたぜぇぇッ!!」
湯からドロッと立ち上がる親方。全身ヌルヌルで輝いているが、目だけはキマっている。
バルド︰「いくぜ山田ァ!混浴掃除コンビで、湯屋ダンジョンをピカピカにするぞォォッ!!」
山田︰「なんでノリノリなんですか親方ァァァッ!!」
こうして、トロトロ温泉スライムに囲まれながらの“地獄の湯屋清掃”が始まった――。




