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第六十三章:地下迷宮と巨大モップ迷路!〜汚れが道を教えてくれる!?〜


静寂の中、三人は黙って階段を降りていた。


 その先にあるのは、《クレイダの地下迷宮》。

 千年以上前に封鎖された、誰も地図を持たぬ“生きた迷宮”――


山田︰「あの……なんでまた、こんな誰も知らない迷宮に来ることになったんですか?」


アーク︰「貴方が“トイレの救世主”などと名乗った結果、評判が妙な方向に飛躍しまして」


山田︰「俺、名乗ってない!!」


バルド︰「ンなことより、ここはマジでやべぇ。地図も通れねぇ、魔力も歪んでる。だが――」


 バルドは腰の“地脈ハンマー”をカツンと床に叩きつける。


バルド︰「地面の声は……聞こえるぜ。ちょいとクセはあるが、まるで“汚れ”の流れが導いてるみてぇだ」


山田︰「汚れの流れ?」


 ふと、山田のクラリネットXが*キュルン……*と反応する。

 次の瞬間――地面の一部に、うっすらと薄茶色い“足あと”のような汚れが浮かび上がった。


山田︰「えっ……? これ、見える……!」


アーク︰「ほう。これは《残滓魔汚痕ざんし・まおこん》ですね。かつてこのダンジョンに挑んだ者の“履歴”が、汚れとして残っている」


山田︰「うちのモップ……そんなハイテクなの!?」


バルド︰「ハイテクっつーか、お前が“掃除バカ”すぎて共鳴しただけだろ」


 気づけば、壁、床、天井、あらゆる場所に“汚れの痕跡”が浮かび上がり始めていた。


山田︰「この迷宮、掃除しながらじゃないと進めない……?」


アーク︰「これは面白い。つまり、清掃がルート案内になると……」


 そのとき、遠くから*ゴゴゴゴゴ……*という重い音が鳴り響いた。


???︰「モップ……モップ……キレイ……ヤダ……キレイ怖い……!」


 迷宮奥から迫ってくるのは――巨大なホコリの塊モンスター《ダストノイド・Ω》。


バルド︰「チィッ、こりゃ“掃除されるのが死ぬほど嫌い”なやつだ!」


アーク︰「掃除されると自我が消滅する。ある意味、貴方の天敵ですね」


山田︰「いや、それ完全に向こうが俺の天敵なんじゃないの!?」


 だが、山田はおもむろにクラリネットXを構える。


山田︰「よし……なら“嫌われても”俺は掃除する!!」


 そして、汚れの痕跡をたどりながら、モンスターに正面から突撃した!


山田︰「《モップ術・初級》ぇぇぇっ!!――スピンモップ・疾風清掃斬!!」


モップが高速回転し、前方の空間を一気に“キレイ”に――


ダストノイド・Ω︰「ギィィィヤァァァアアアアアア!!!」


 塵とともに消えていく怪物の姿。


アーク︰「……強引ですが、清掃による進行、成り立ってしまいましたね」


バルド︰「やるじゃねぇか、モップ野郎!図面よりも掃除道ってか!」


山田︰「いやでも、これ……迷宮の謎解き、だいたい掃除で済んじゃうんじゃ……」


 こうして、“モップで道を読み、掃除で敵を祓う”という、前代未聞のダンジョン攻略法が確立されたのだった。



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