第五十四章:未建造ダンジョン!現場バチバチ、設計士vs建築士
薄暗いダンジョン。
しかし、見た目に反して危険が満ちていた。
山田︰「えっと……もしかして、このダンジョンの修繕に来たんですか?」
バルド︰「違ぇ!“診断”に来たんだ!こいつぁ構造レベルで終わってる。設計からやり直しだ!」
山田︰「あー……たしかに、天井から何か汁みたいの垂れてきてたような……」
バルド︰「それ“ダンジョンの汗”だな。完全に蒸れてやがる。通気口の設計ミスだ。これじゃモンスターもカビる!」
バルドは床をバンバン叩きながら叫んだ。
バルド︰「オイ!この床下に埋められた“魔力導管”、おまえ測ったか!?」
山田︰「え、いや、僕は清掃員なんで……」
バルド︰「掃除屋だって現場の空気読むのが一人前だ!床が軋むならそこには理由がある!建築だって生き物だ!」
山田︰「なるほど、ちょっと熱いなこの人……!」
そのとき、ガラガラと音を立てて別の通路から現れたのは、黒コートの男――アーク・トレイスだった。
アーク︰「ふむ、やはり……現場がひどく荒れていると思ったら、まさか貴方が関わっているとは」
バルド︰「……おぉ?なんだお前は?」
アーク︰「国家認定ランクA、ダンジョン設計士アーク・トレイス。貴方のような“現場ノリ”だけの男とは違います。私は構造美に生きている」
バルド︰「はぁ?“構造美”だァ?そんなもんより、崩れねぇ構造を組むのが先決だろうが!!」
山田︰「あああああ!!はじまった、設計士vs建築士の“現場バチバチ”だーーーッ!!」
ダンジョンの片隅で、魔物たちがそっと隠れる中、熱血親方vs美学設計士の静かなる火花が散っていた。
バルド︰「オイ!ここは俺様バルドの現場だ!不備は一切許さねえ!」
そこへ黒いコートを翻し、冷静な表情のアークがゆっくりと歩み寄った。
アーク︰「ここまで荒れ果てたダンジョンを見たことがあるか?これは設計の根本から見直すべきだ」
バルド︰「設計美学だぁ?そんなおしゃれごとより、現場の安全と耐久が最優先だ!」
アーク︰「耐久だけがすべてではない。美しくなければ人は集まらん!」
バルド︰「うるせぇ!ダンジョンは安全なことが命だ!」
山田︰「(あああ、始まったな…設計士と建築士の永遠のバトルだ…)」
そのとき、天井からポタリと液体が山田の頭に落ちた。
山田︰「うわっ!?誰か、この“ダンジョンの汗”どうにかしてくれよ!」
バルド︰「それが通気の悪さってもんだ。こいつを直さなきゃ何も始まらねぇ!」
アーク︰「まずは私の設計図に従え。換気の流れは科学的に計算済みだ」
バルド︰「計算?俺の経験には敵わねえ!」
山田︰「どっちも譲らないってことか……こりゃ長引きそうだなぁ」
バルド︰「オイ、アーク!お前の設計、ちょっとは現場見てから文句言えよな!」
アーク︰「現場は私の頭の中にある。君の“職人気質”も時には理性を失うようだな」
山田︰「この二人のケンカを掃除しながら見てると、なんだか自分の存在意義を見失いそうだよ!」
すると、突然バルドが山田のモップをひったくり、
バルド︰「よし、じゃあ掃除もしながら構造の悪いところも直してやるぜ!」
アーク︰「ふん、現場と理論の融合、それが真のダンジョン設計だな」
山田︰「おお、やっと意見が合ったかと思ったら……掃除まで巻き込まれたよ!」
こうして熱血バルドと理知的アークのバトルと協力で、今日も波乱に包まれるのだった。




