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第五十三章:爆裂!精霊イフリートとの湯けむりバトル


炭酸泉ダンジョン「湯煙の間」


そこは熱気と幻惑が立ちこめる、灼熱のサウナ空間だった。

山田純一は額に汗をにじませながら、クラリネットXを握りしめる。


山田:「……なんで掃除中に毎回、命がけのイベントがあるんですかね!?普通の職場じゃ労基案件ですよ!?」


ナナ婆:「文句ばっかり言ってんじゃないよ、あんたの《残業魂》が泣いてるよ!」


アーク・トレイス:「……その通りだ。これは貴様の“掃除魂”の試練だ、山田純一」


山田:「アーク!?お前まで!?ていうかこのサウナ、誰が設計したんだよ!!?」


アーク:「私だが?」


山田:「やっぱりかああああああっ!!」


(その瞬間、天井の岩盤がごうっと赤熱し、中央の湯船が爆発)


ドバァンッ!!


現れたのは――


精霊イフリート(湯けむり温泉ver)

身長3メートル、筋骨隆々。腰にバスタオル、手には桶を持ち、湯気のマントを翻して立つ!


イフリート:「我こそは、湯の精霊イフリート。掃除道具などで我が領域を汚すな……もとい、清めるなァッ!!」


山田:「なんで怒ってんの!?清掃員への敵意がやたら強いなこの精霊!!」


ナナ婆:「昔、雑巾が嫌いだったらしいよ。ほら、ぬめり落としすぎて」


アーク:「……このダンジョンは“怒りの湯気”が噴出すると精霊が暴走する設計だ。つまり今こそ、貴様の浄化スキルの見せ所ということだな」


山田:「お前、設計で遊ぶなーっ!!」


(イフリートが桶を振りかざし、火炎混じりの湯気弾を放つ)


イフリート:「桶烈炎湯破ァァァ!!」


ズガァァァン!!


山田:「あっちぃぃいいっ!?……って待て、クラリネットX、反応してる!?モップが……湯を吸収してる!?」


(クラリネットXの先端が水色に輝き始め、湯気をぐんぐん吸収していく)


山田:「《掃除する者に祝福あれ》、発動!!くらえぇぇぇ――風呂場に響け、掃除の律動!!」


(全力のモップ回転が熱気を切り裂き、場を包んでいた湯けむりが一気に清らかな水蒸気へと変わる)


イフリート:「ぬおおおおお!?これは……癒される!?肩こりが……ぬけ……」


(ぽすん、と腰を抜かして座るイフリート)


山田:「肩こり解消してどうすんだよ!?こっちは命懸けだぞ!?」


ナナ婆:「あんたね、精霊が“すっきりした顔”してるの、初めて見たよ」


アーク:「……興味深い。掃除が精霊を鎮めるとは、設計思想を改める必要があるかもしれんな」


山田:「えっ、あれ?なんか俺、意外と……役立ってる? ていうかこれって……異世界でモップの勝利じゃない?」


ナナ婆:「そうだよ、あんたはこの世界で唯一の“掃除系ヒーロー”さね」


山田:「そんな称号いらねえええええぇぇぇ!!!」


――かくして、伝説の“爆裂湯けむりバトル”は終焉を迎えた。


しかし、山田の苦労はまだまだ終わらない。


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