第五十章:伝説の親方登場!現場とモップの間で吠えるバルド・エッジ!
ベルゼブブの下水道ダンジョン掃除から数日――
異世界労働組合(通称イロ組)の定例報告会議に呼び出された山田純一は、ナナ婆に無理やり正装させられながらも、いつものようにモップ片手に床のホコリと戦っていた。
ナナ婆:「お前さん、今日は特別ゲストがおる。背筋伸ばしておきな!」
山田:「え?また変なダンジョン設計者とか来る系っすか?アークくんの同類だったら、俺、帰りますよ?」
その時――
会議室の木製扉がガタンと音を立てて開く。
立っていたのは、筋骨隆々、肩幅三車線。焼けた肌に作業着。ヘルメット代わりの鉄製バンダナ。
背負った工具箱には【巨大スパナ・呪刻タガネ・魔導水準器】などがギチギチに詰まっている。
男:「おう、ここがダンジョン清掃員の詰所か?」
ナナ婆:「来たか……バルド・エッジ!」
山田:「バルド・エッジ……って、あの“伝説の親方”ってやつ!?」
バルド:「おうよ、俺がこの界隈で“タイル一枚で魔族を黙らせた男”――バルド・エッジだ!」
山田:「どんな経歴だよ!?」
ナナ婆:「この男、ダンジョン建築士(親方)として30年。完成させたダンジョン、実に372ヶ所。うち152ヶ所が“危険度S超え”で指定された猛者じゃ」
バルド:「いや、ナナ婆。あの半分は依頼主がバカで無理難題ばっか押しつけてきたせいだ」
山田:「つまり理不尽の犠牲者!?」
ナナ婆:「でな、この山田が最近だいぶ腕を上げてのぅ。見せてやりたくて呼んだんじゃ」
バルド:「……ほぅ、お前が“クラリネットX使いの新人清掃員”か。ふーん」
(バルドがジリジリと距離を詰めてくる。山田、緊張)
山田:「ど、どうも!ダンジョン清掃員の山田純一です!スライムもハエも泡もなんとか……掃除……してます!」
バルド:「ハエ?」
山田:「いや、ベルゼブブの下水道で……」
バルド:「お前、あそこ掃除したのか……!?」
(ゴクリと唾を飲むバルド)
バルド:「――気に入った!!お前みたいな根性あるやつを俺は求めてたんだ!!!」
山田:「え!?スカウト!?いきなり!?」
バルド:「明日から俺の現場、“火山帯ダンジョン建設地帯・第七坑道”に来い!風呂釜ゴーレムと岩の雨が降ってくるぞ!」
山田:「やだやだやだやだ!!帰りたい!!!」
ナナ婆:「ふぉっふぉっふ、こりゃ楽しくなるわい」
こうして、伝説の親方・バルド・エッジと山田の運命の出会いは、清掃員の運命をまた一段と過酷にするのであった。




