第二十章:ヴァンパイアの古城跡ダンジョン!吸血鬼は掃除機が怖い!?
冷たい霧が立ちこめる月夜。
黒い尖塔がそびえ立つ《ヴァンパイアの古城跡ダンジョン》。
そこは魔界と人界の境界にあり、かつて貴族ヴァンパイアたちが闊歩していた曰くつきの場所だ。
だが今、その入り口でモップを担いだ一人の男が仁王立ちしていた。
山田:「……さてと。吸血鬼のフンでも落ちてんのかね。よくもまあ、掃除の依頼なんか来たもんだ」
ナナ婆直々の命令書にはこう書いてあった。
『古城跡の床がヌメっている。滑って冒険者が骨折続出。清掃急務』
山田:「ダンジョンなのに“ヌメり”で危険って、もう敵モンスターより床のほうが強くない!?」
■入城即トラップ(物理)
「ギイィィ……」
鉄の門が音を立てて開いた瞬間、山田はすぐに転んだ。
山田:「うわあああっ!! って、ぬおおおお!? ヌメる!ヌメヌメるぅぅう!!」
床はまさにリンス処理後の風呂場状態。転倒率100%。
クラリネットXを必死に振り回し、山田は床をモップで磨き始める。
山田:「《モップ術・初級》発動!!――……って、ぜんっぜん取れねぇ!? なんだこれ!?怪異的ヌメリ!?」
そのとき――
「誰だ……この城を磨くなどと、不敬の極み……!」
闇の中から現れたのは、白髪で赤マントを羽織った――
ヴァンパイア伯爵だった。
■吸血鬼vs掃除人!
ヴァンパイア:「貴様、何者だ。この城は我が眠る静寂の場所――貴様の雑音で目覚めたぞ」
山田:「雑音って、クラリネットXの“モップモップ音”のことか!? 清掃は崇高な使命だぞ!?」
ヴァンパイア:「愚か者……この古城は魔力で“美しいカビと腐敗”に彩られてこそ芸術。掃除など愚行!!」
山田:「いや、床ヌルヌルで滑る芸術とか誰が喜ぶんだよ!?」
■魔力とモップの攻防
ヴァンパイア:「ならば問答無用、滅せよ!」
山田:「こっちもやってやるよ!くらえ!《掃除する者に祝福あれ》!!」
聖銀製クラリネットXの一振りで、床のヌメリが光となって消えていく。
しかも清掃した部分が“太陽のような清潔オーラ”を放ち、ヴァンパイアが叫び出す。
ヴァンパイア:「ぎゃあああ!?な、なんだその聖なるフローリング! 直視できぬ!!」
山田:「掃除された場所が神聖な力で光るんですよ!光が怖いとか、もう吸血鬼あるあるすぎて逆にかわいそうだよ!!」
■勝利と後片付け
光のダメージでヴァンパイアはベッドに引きこもりモードへ突入。
ヴァンパイア:「もういい……好きにしろ……。ただ、地下の棺だけは開けるな……開けるなよ……絶対だぞ……」
山田:「フリじゃねぇのそれ!?」
その後、山田は古城を丸ごとモップで磨き上げた。
報酬:
・《吸血鬼の柔軟剤(夜に肌がしっとりする)》
・《伯爵の黒レースマント(実は高級ダスター)》
山田:「今夜も一件、清掃完了!……いや、吸血鬼が出るより床のヌメりの方が怖かったわ!」




