第十八章︰ハーピーの天空ダンジョン!風に舞え、モップの毛先!!
空――
それはダンジョン清掃員にとって最も厳しい戦場である。
なぜなら、モップは重力に従うからだ。
――ということでやってきたのは、《ハーピーの天空ダンジョン》
空中に浮かぶ“風の浮島群”の上に築かれた、幻想的かつ危険なダンジョンである。
ナナ婆に無理やり押し出され、パラグライダーで離陸する清掃員山田。
■風が強い!毛先がブレる!
山田︰「うおおおおお!風、風つえぇぇぇ!モップの毛先が思い通りにならん!」
下界を見下ろすと、そこには雲と青空、そして地面(遠い)
山田︰「俺、高所恐怖症なんですけど!?え、聞いてないの!?ナナ婆ああああ!!」
■天空の掃除開始!
聖銀製クラリネットXを構え《掃除する者に祝福あれ》を発動。
ふわりと、浮島の苔が光り、空気が一瞬澄んだようになる。
山田︰「おぉ…意外と…綺麗だな。てか、なんで苔が空に生えてんだ?」
そこへ現れるのは――
■ハーピー軍団、掃除に抗議!
ハーピーA︰「ピャアアアア!そこは我らの産卵場所ぞ!!」
ハーピーB︰「ピイッ!あの毛の生えた武器で我らの巣が光ってしまったではないか!」
山田︰「ちょ、あんたらハーピーってそんな…タワマン上層階のベランダ感覚で巣作ってんの!?」
ハーピーたちは怒り、風魔法《ギャルストームLv2》で山田を吹き飛ばす!
山田︰「うおおおおお!?どこまで飛ばす気だぁぁぁぁ!!」
■アーク(ゴーグル装着)、気球で登場
アーク︰「…おや。やはり風に流されていたか」
登場したのは、優雅な気球で空中を漂うアーク。
手には最新型の《浮遊ダンジョン設計図》
アーク︰「この天空ダンジョンは、風圧・重力・滑空距離を絶妙に調和させた“空中造形芸術”だ」
山田︰「芸術でも滑るぞ!?足がすべるぞ!?てかハーピーがうるせぇぇぇ!」
■激突!モップ vs ハーピー
怒り心頭のハーピー族が再び山田に襲いかかる!
しかし――
山田︰「これが空中戦のモップさばきだッ!!《モップ術・初級・空中応用編》!!」
ブンッ!スパーン!スパパパーン!
風に乗せたモップ捌きが、空中に舞うハーピーの尻尾だけを巧みにピシピシ打つ!
ハーピーA︰「ひゃっ!」
ハーピーB「うひゃ!」
ハーピー(?)「これは…癖になるッ!」
■結果:清掃完了
浮島の苔は綺麗に拭かれ、ハーピーの巣もなぜか丸く整えられた。
ハーピー族は「風呂上がりみたいな心地よさ…」と山田に感謝。
山田︰「いや、ほんとマッサージじゃねぇんだよ!?掃除なんだってば!!」
そして、颯爽とゴーグルを外すアーク。
アーク︰「…なるほど。“風の流れすら操るモップ”か。やはり君には、君なりの“設計美”があるようだ」
山田︰「おいおい、今ちょっとだけ褒めた? どうした!?熱でもあんのか!?」
アーク︰「いや…眼鏡忘れた(視力超低下)」
■報酬ゲット!
・《風の羽根モップ》:空気の流れを読むことができる特製モップヘッド
・《ハーピーの換羽クーポン》:1回だけ風呂上がりのハーピーが手伝ってくれる(使いどころ難しい)