第十五章:ミミックだらけの宝箱ダンジョン!?寝ても噛まれて起きてもモップ!
「……え、これ全部、ミミック?」
異世界に転生し、なぜか**ダンジョン清掃員(ランクF)**になった男、山田純一。
本日の業務は、《ミミックの宝庫ダンジョン》――通称、“ガブリ・パンドラ支部”。
見渡す限り、宝箱、宝箱、宝箱……!
「おいおい、これ何百個あるんだ……絶対中身より口のほうが多いだろ!」
しかもそれぞれ、
「ガブ!」
「チュウウウ!!」
「モグモグ……モップの味がするぅぅぅ!」
とにかく噛む。問答無用で噛んでくる。
■ミミック清掃あるある①:モップ=ご飯
「クラリネットX! 今日ばかりは“強靭モップモード”だッ!」
【モップ形態変更!】
→《耐咬合強化:対ミミック特化》
*ボフンッ!*と鈍い音とともに、クラリネットXが鉄骨入りモップに変形。
「……鉄骨て」
■アーク・トレイスからの遠隔通信
《宝箱とは、“開く”ことによって夢とロマンが解放される装置だ。それを噛ませ犬にするとは、我ながら最高に倒錯している》
「……素直に褒められたいって言えや」
■ミミック清掃あるある②:すぐ寝具になる
「ふぅ……さすがに疲れた……あの宝箱、開いてないし、ちょっと座って――」
ガブリィッ!!
「ベンチ型ミミックかよォォ!!」
ミミック《ベッドタイプ》:「寝心地、五ツ星だヨ?」
「もう、家のベッドも信用できねぇよ!!」
■ミミック清掃あるある③:感謝してくるやつもいる
ミミック《学者型》:「清掃……感謝する。長年、ホコリにまみれていたのだ。モップこそ、知の聖具……」
「いや、お前口から本出してるやん! 本に唾つくやん!」
■終盤イベント:巨大ミミック《キング・パンドラ》出現!
ズズズズッ……ドォンッ!!
「……でかっ!宝箱が二階建てじゃねぇか!」
《キング・パンドラ》:「掃除? 掃除ってなんだ? オレは永遠に封印された脂とホコリの化身!」
「じゃあこれで目覚めさせてやる! くらえ――!」
【発動!】
《掃除する者に祝福あれ》+《不思議な残業魂》の同時発動!!
「10分だけ掃除力が倍だああああッッ!!!」
■結果
クラリネットX、キング・パンドラをモップ回転の渦で清掃&鎮魂完了。
内部に眠っていた大量のゴミと、本物の宝(なぜか“高級ルンバ”)を回収。
《ナナ婆からの通信》:「よぉやったのぉ、純一。あとは仕上げのワックスがけじゃな」
「え、今からですか!?(膝ガク)」
■獲得スキル
《モップ術・中級》解放!
《ミミック見抜きの眼(中確率で見分け可能)》獲得!