表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/85

第十四章:セイレーンの泉で心もモップも乱される!?歌って掃除の癒し地獄!


「――まさか、歌で掃除が妨害されるとはな……」


異世界転生し、なぜかモップを武器にダンジョン清掃員となった男・山田純一は、今、頭を抱えていた。

目の前には煌びやかな水の神殿……その名もセイレーンの泉ダンジョン。


しかし、そこに巣食うモンスターは――


♪ようこそ〜 清掃員〜 

♪君のモップ〜 とても可愛いねぇ〜

♪少し〜 こっちに〜 寄ってみてよ〜?


「歌うな! 誘うな! 汚すな!」


■現場状況メモ:セイレーンの泉


・湧き水の泉があちこちから噴き出している

・床はぬれっぱなし、天井から水滴、壁には苔とツタ

・セイレーンたちの歌声で清掃員の集中力がマイナス80%


「クラリネットX、今日ばかりはお前に頼るぞ!」


■クラリネットX:水中掃除モード《ウォータースピン》


「くらえ! 回転式水中モップ術・渦潮の型ッ!」


ズシャアァァァァァーー!!

水をかき分けながら床に残る苔と歌声の残響を一掃!


しかし――


♪あら素敵〜 その渦〜 まるで私の心みたい〜♪


「なんでポエム風になるの!?」


■通信:アーク・トレイスからのコメント


《セイレーンの泉は、私が設計した“誘惑と水音の調和”による癒しの聖域だ。モップごときで侵入するとはな》


「癒しっていうか、頭の中がマッサージチェアに潰されそうなんだけど!?」


■セイレーンの主《歌姫エラ=ルーナ》登場!

♪貴方のモップは、綺麗すぎて……私たちの生活感を奪う……

♪でも、ちょっとだけ触れてみたい……


「いや……ちょっと待って……モップに惚れるな」


そして彼女は――

モップを手に取り、まさかのデュエット。


♪ふきふき〜 キュッキュッと〜 

♪今日も清めて〜 愛の軌跡〜〜


「なんで歌詞が“掃除”ベースなの!?」


■セイレーンたち、完全掃除堕ち


掃除されるごとに肌はつやつや、声は高音域アップ、ついには――


♪もう、清掃員様以外じゃ満足できない身体に……


「やめろーッ! その台詞はジャンルが変わるからやめろーッ!!」


■清掃完了!


セイレーンたちは感謝の歌を捧げ、泉は光り輝く浄化のパワースポットに。

山田はというと、耳栓をしたまま全身ずぶ濡れで力尽きていた。


【称号獲得】

・《モップと歌う者》

・《水面の騎士》

・《声に惑わされし乙男》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ