第十一章:油と肉と大混乱!?オークの砦でモップが吠える!
「くっさ……なんだこの匂い……!」
ダンジョン清掃員・山田純一、異世界での11本目のモップを振るう任務は――オークの砦。
鼻をつく獣臭、油、焦げた肉、そして謎の甘い香り。そこは戦場……ではなく、野外焼き肉会場の成れの果てだった。
■現場状況レポート:オークの砦
・【油ギトギトの床】……滑って転ぶオーク多数。なぜか滑り芸を会得。
・【骨と肉の山】……戦利品なのか残飯なのか不明。誰も整理しない。
・【焚き火跡の炭化床】……「キャンプは心を整える」と言いながら掃除拒否。
・【謎のダンス用ステージ】……オーク曰く「宴には舞が必要」
「……いや、どこからツッコめばいいんだ、これ」
■ナナ婆からのメッセージ(紙)
「油汚れにはクラリネットX・熱蒸モードがええぞい」
「あと、オーク族は情に弱いから、まず床から入れ」
「床から……入れ?」
■オーク登場!掃除、交渉、筋肉バカ!
「おう!お前、なんかキラキラした棒もってんな!」「うまそうな匂いすんな!」「喰うか?」
「清掃員ですッ!!モップは食うものじゃない!!」
オーク族は総じて筋肉と肉がすべての価値基準。だが、床をモップでピカッと光らせた瞬間、空気が変わる。
「……な、なんか……きれいだ」
「足が、すべらねぇ!」
「おれ、今、初めて“安定”って言葉を理解した!」
「モップは正義ッ!!」←謎の覚醒者出現
■通信:アークからの冷笑
《ふん、オークどもは設計通り。乱雑で不安定な足場こそ、彼らの“本能”を引き出す舞台だ》
「そんな“舞台美学”要らないから!転けて骨折したオークいたぞ!?」
《それもまた“演出”だ》
「劇団オーク座かよ!」
■清掃ミッション:油との死闘!
山田はクラリネットXを構え、熱蒸モード起動!
ブシューッ!という音とともに、油と肉汁の層を剥がしていく。
《掃除する者に祝福あれ》のスキルが炸裂し、砦の空気が一気に清浄化。
「く……ッ!油汚れが……しぶとい……!」
だが、《不思議な残業魂》が発動。
限界を超えた山田のモップが、黄金に輝き始める――!
「これが……プロの“残業清掃”だぁあああッ!!」
■清掃完了&和平条約(?)
床は輝き、肉の山は整理され、焚き火の跡は消え、ステージはワックスがけされた。
「まるで……王の帰還式場みたいだな……」
「俺たち……ちゃんと“生活”していいんだな……」
涙ぐむオーク。拍手するオーク。何も分かってないけどモップを拝むオーク。
「もう二度と“素足焼き肉”しません!」
「その誓い、二度と破るなよ!?頼むから靴履け!」
■お礼:肉の塊+変な兜
「これは礼だ、清掃の勇者よ!」
【アイテム入手】
・《上質なオーク肉(脂多め)》
・《オーク式鉄兜》
「い、いらねぇけど……まぁ気持ちはありがたい……!」